南国どうぶつウサギちゃん

2022年、あけましておめでとうございます。

令和ももう4年、社会の構造や価値観のアップデートが盛んに叫ばれるこの時代に、私は

アニメ南国少年パプワくん(1993年放送)全42話を一気見しました。

令和なのに!!!!令和のこの時代に!!!!パプワくんを!!!!見ました!!!!

 

前提

都度書いてきましたが、私はドラクエのオタクです。四コマ劇場はほぼ全巻ブックオフで買い集め、ノベライズも読み、コミカライズにも手を出し……、ととんでもない熱量を持ってコンテンツを追いかけていました。小学生の頃に。そしてそんな小学生の頃、FF7にどハマりし、現在の私の構成要素である3属性(夢女子・腐女子・声豚)を一気に全て背負い込んでしまいます。ちなみに私は新世紀エヴァンゲリオンと同級生なので、わかる人にはわかると思いますが同級生と話が合いませんでした。まあ……、そうでしょうね。

さて、2000年代なのに90年代を生きていた小学生ウサギですが、その当時Wikipediaとかで出演作を調べては興味あるアニメがないかしらとチェックをかけていた声優が何人かいました。その中の一人が緑川光氏でした。彼のWikipediaを見るとわかりますが、どうしても目につく作品があるのです。それが南国少年パプワくんでした。しかも作者が柴田亜美ときた。そう、彼女はドラクエの四コマ劇場で描いていた作家の一人でした。

見るしかないな!!

当時12歳の私は決意しました。好都合にも、当時アニマックスか何かで放送されていました。運良く放送日に家にいたので一話だけ見ました。しかし、それが最後でした。

刺さらなかったのです。そう、全く刺さらなかったのです。タンノくんとイトウくんだけ強烈に覚えていましたが、あとは忘れました。そう、刺さらなかったのです。ですがめげない私はとりあえずググりました。南国少年パプワくんと、その続編となるPAPUWAが存在していることを知りました。なんとなく多分好きそうな感じがするな、という予感めいたものを抱きつつも、うぅんと唸っていました。刺さらなかったので。ブックオフドラクエの本探してたら原作を見つけたこともありました。ですがスルーしていました。刺さらなかったので。

そう、刺さらなかったので。

 

 

ということがあり、時は流れて2022年。私はTwitterで元気に呟いていました。ある時、TLにひとつのツイートが表示されました。

痴女の父親の歌だから『マジックの憂うつ』聞いて。

以前から、TLには何度もアラシヤマは抱いてもらえない受けというワードが飛び交っており、いつか履修しようかなあとぼんやり考えていたパプワ。ただ、アラシヤマは抱いてもらえないのかあという気持ちしかなく、しかも刺さらなかったのでイマイチ気乗りしなかったパプワ。

しかし今回は痴女の父親。痴女の父親です。

痴女の父親ですよ!?

主人公が痴女で、その父親という意味ではもちろんありません。恋人がサンタクロース、父親が痴女。そう、父親その人が痴女。あまりにも強い言葉に、軽い気持ちで聞きました。各自皆さん歌詞を検索していただけると助かります。検索しましたか?

この父親怖すぎる……。それが私の第一声でした。えっ……、一晩中でも耳たぶ舐められるってなに……、えっこわ……、えっ……、えっ怖いんだけど……、うそ……、怖すぎる……。なんで実の息子にこんなに欲情してるの……、なんで……、怖すぎる……。

パプワ、履修するか。

そう、私は決意していました。

この父親が何故、息子にここまで欲情しているのか。その理由を知るために。

 

というわけでアニメ42話を一気に見たわけですが、ええ、ええもう、ええ本当に。

マジックの憂うつ聞いた時からあっお客様いけませんお客様こんな90年代なんてという感じだったんですけど、全編通してめちゃくちゃ90年代だったのでとても懐かしい気持ちになりました。この小学生の頃に戻ったような気持ち……!

何が90年代って何もかもがそうなんですけど、例えば登場人物がやたらロン毛ってところですかね。今だと中華圏のコンテンツがロン毛率高いらしいですけど、かつての日本でもそういうロン毛の時代があったのだなと突きつけられる。やたらロン毛。美形はロン毛でなければいけないのかと言わんばかりのロン毛祭り。シンタローがロン毛、ミヤギくんもロン毛、トットリくんもロン毛、グンマ様もロン毛、サービスおじさんもロン毛。みんなロン毛。すげえ!髪が長いぜ!

逆にメインキャラなのにアラシヤマとマジック総帥は髪が短いのが不思議な気さえしますね。あー、だからシンタローに塩対応されてるのかな……、二人とも……。でもコタローくんも短いからな……。だめだな……。髪が長かろうとこの二人は……。

しかも現代のロン毛ってわりとそこそこの確率でメスお兄さん的な、たおやか美人系もいるじゃないですか。いないですからねそんな男。全員目つきが悪い。そういう絵柄だが全員目つきが悪い。しかもどいつもこいつも性格がおかしい。あと腕が逞しい。ガタイがいい。そして人間に対する感情が事故ってる。いやギャグアニメだからなんですけどね、ギャグだからなんですけどそれにしてもおかしい。

なんたってこっちには息子のぬいぐるみを抱いて息子の枕を涙で濡らす父親がいますからね!!!!!!!!

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ちなみに人間関係を雑にいらすとやでまとめるとこうなります。シンタローへの矢印が多すぎて色々カットしてなおこれですからね。なんなんだ。本当になんなんだ。そんなシンタローから出ている矢印は①パプワくん②弟のコタロー③サービスおじさんの3人だけなのが最高ですね。子供と叔父にだけ興味がある男、シンタロー。

おかげでこっちは実の息子が自分の弟に懐いていることに嫉妬して本部をぶち壊す父親とかいう地獄絵図を見せられますからね。パパとサービスどっちが好き?という質問ににべもなくおじさんと返されて暴れる父親ですからね。いやまあ……、最大限好意的に見れば父親としてショックを受けているとも取れなくもないような錯覚があるんですけど、ただ息子が望めば一晩中耳たぶ舐められるのがマジックという男なので完全にアウトですありがとうございました。

あとはまあ、あれですね、アラシヤマが友達いなさすぎて終始笑い転げていました。シンタローがアラシヤマの戦闘能力を利用する気満々で友達扱いして以来、友情パワーとかいう謎技が使えるようになってたのがだいぶウケたし、最終話直前の41話のオチまで友達いないアラシヤマネタだったので最高でした。がんばれアラシヤマ(笑)

ところで私はマジックの憂うつと、そんなマジックたち四兄弟のキャラソンだけ聞いて履修したんですよね。だから従兄弟のグンマ!と言われてもそっかマジックは四兄弟だから……、となったし、アニメでは私大喜びの銀髪ロン毛だったにもかかわらず原作は金髪ロン毛というとんだ銀髪詐欺で私の心を掻き乱したサービスおじさんの存在も普通に受け入れたんですよ。受け入れたんですがね?

なんかどう見ても残りの話数でルーザーとハーレムの二人が出てくる気配がないんですよ。

意味わからん高笑いするトンチキキャラソンのせいで顔も知らんのに名前だけ覚えました。そこでね、私は気づいてしまったんです。

アニメに出てきもしない人たちのキャラソンがあるという狂った事実に。

そしてね、もう一つ同時に気づいてしまったことがありました。

このアニメめちゃくちゃ中途半端なところで終わるのではということに。

それでもまあ、一応の区切りは付けて終わるはず。せっかくなのでと最終話まで見ました。父親の言うことにはまったく耳も貸さなかったというのに、サービスの日本に連れて行ってやるという言葉には素直に耳を傾け熟考するシンタローの扱いの差がめちゃくちゃ面白かったりもしたんですが、それよりも何よりも最終回がどう終わるかですよ。ええ、もう変なところで終わることはわかってましたからね。最大限の覚悟を決めて見たんですけどね。

まさかシンタローがサービスとパプワ島去って終わるとは思わないじゃん。全ての謎を投げ捨てて終わるとは思わないじゃん。

びっくりしたわ。秘石眼ってなに。一族の使命ってなんです。あの意味深な扉はなんだったの。島がたくさんあったのに沈んだ理由は。赤い石はなんだったの。いやほんとなんやねん!!!!なんや!!!!なんやなんや!!!!!!!!何一つわからない!!!!シンタローがブラコンでアラシヤマに友達がいなくてマジック総帥は痴女の父親ということしかわからない!!!!わからない!!!!!!!!

マジで何も解決してなくて笑いました。現代のアニメでは考えられない雑エンド。特に最近は鬼滅の刃進撃の巨人など、十分な制作期間を置きつつ複数クールに分けてアニメを展開し完結まで丁寧に描くケースも見られるようになったので余計にウケました。いっそ清々しいまである。なんかもう終わらせ方がとんでもなさすぎる。とか思ったんですけど、約束のネバーランドの終わり方がめっちゃくちゃ酷かったのを思い出したので作品によっては現代でもまだまだいい勝負ができそうです。でも42話もアニメやっといて何もわからないまま終わることはそうないと思うのである意味語り継いでいきたいなと思いました。

ただ、本編に出もしないルーザーとハーレムにやたら豪華なCVをつけていたり、次回に続くとしか言いようがない終わり方をしたあたり、これ本当は続きも作る気だったのがポシャったんじゃないかな……という気持ちになりました。アニメにいないルーザーとハーレムがキャラソンにはいるあたり、原作が進んでなかったという可能性も薄そうですし……。だってほら、ダイの大冒険は好評だったのに局の都合で打ち切られてるから……。そういうことってあると思うんです……、時代が時代なので……。興行収入歴代一位をアニメ作品が取るような現代社会とは違うと思うので……。いやでも……、こんな……、こんな終わり方ってないよ……。

まあでも私が一番憤っているのは

サービスの髪の毛、原作では金髪ロン毛なのにアニメでは銀髪ロン毛になっていたせいで無駄に大喜びしてしまったことですからね。

銀髪ロン毛が!!!!銀髪ロン毛じゃないなんて!!!!どうして!!!!銀髪詐欺だ!!!!!!!!ひどい!!!!!!!!!!!!

 

あまりに消化不良だったので原作買いました。今週中には届きます。以上です。