私はぶちスライムにキズブチと名付ける

ダイの大冒険を読み終わりました。

タイトルと本文が1ミリも噛み合ってない。1ミリも噛み合ってないしこの話をこのブログでしたところで私の周辺に通じる人は絶無であることも承知している。だが私は言いたい。

あの時どこかで読んだ、キズブチのシーンを見てゴメちゃんを思い出したというレビューがまさしく正しかったことをっ……!

ごめんね初っ端からテンションが壊れてる。私ずっと同じ文章読んでるとその文章の言い回しとか書きぶりにめちゃくちゃ影響を受けてしまうタイプなので完全にノリがダイ大のセリフ。いやだってゴメちゃんほんと……、ほんと……。前回記事書いたときにもちょっと触れたんですけど、私が王道な少年漫画の文法を知ったのはコミカライズ『幻の大地』によるところが大きく、その文法が体に馴染んでいるのでダイ大の超王道ともいえる展開があまりにも私を夢中にさせてきてたんですよね。で、そこに来てこれ。ゴメちゃん。やっぱり私は昔から培ってきた好きには逆らえねえなと思ったりしたわけです。ダイ大読んだの圧倒的に後だったのもあって完全に順序逆になっちゃってますけど……。

なっちゃってますけど間違いなく私を作ってきたものと同じ文脈だったからやっぱりどうしても感動してしまうんですよこんなの……!

ゴメちゃんといいキズブチといい、最初期からずっと主人公の友達でいてくれた存在が最大のピンチを救ってくれる展開はどうしてもどうしても泣いちゃう。ダイの友達になってという願いを叶えてあの姿になったんだもんなあゴメちゃん……、ああ……。

 

はーそれにしてもやっぱポップめちゃくちゃいいな。

辛くなってきたから話題を変えます。ゴメちゃん……、また友達になってゴメちゃん……。

いやポップやっぱりめちゃくちゃいいな。めちゃくちゃいい。ポップは最高だな。語彙力死んでるのであれなんですけど、最後まで全員のことを慮っていたダイが唯一遠慮せずにぶつかれた相手がポップだし、一応は恋敵であるヒュンケルのことを誰より信じてる節があるし、元々は敵対していたラーハルトとヒムを突き動かしたのもポップだったし、なんかある意味ダイ以上の精神的支柱だよなって思いました。

みんながダイの力を信じてて、その信じる力こそが彼らを突き動かす原動力であることは作中で言われてた通りで間違いないと思うんですけど、皆が持つダイを信じる力、その全てを一つに束ねてるのは他でもないポップなんじゃないかなって……。どんな状況でも最後までダイの横に建ち続けてる男ですもん、ポップって。

最後の最後で落とされるけどな……

あそこで咄嗟にしがみつくのがポップらしいですよね。ダイだけに死ぬ役目を背負わせないようにするのが。決死の覚悟だったはずなのに、そんな彼を死なせたくないダイにあっさり振りほどかれてしまう甘さもあまりにポップらしい。

あと私が個人的にめっちゃグっときたのが、バーンがポップのことを脅威だと見なしてたところですね。ダイ、アバン先生、ラーハルト、ヒムという顔ぶれにポップが加わっていたところがもうね。フィジカル面ではあの場の誰よりも間違いなく弱い彼が、元々はメンタルも最高に弱かった彼が、魔王にさえその力量をある程度は評価されている事実。そこまでの成長をした事実。くるものがあるよね。実際最後まで両足つけてダイの隣に立ってたわけだしね……。ポップが勇気に選ばれた理由がよくわかる。

でもなあポップ。

最後のコマ、あれはなんだ。

マァム、メルルの二人と旅してるってなに????????なに?????????びっくりするほど穏やかじゃないんだけどなに????????????大丈夫????????メルルが嫉妬のレヴューとか始めない????心配なんだけど????????

えぇ……。まずポップはマァムのことが好きで、だけどメルルから思いを寄せられてるのもわりと満更でもなさそうなんですよね。なんだお前。好きと言われて悪い気がしないのはわかるけどさあせめてごめんな、やっぱりマァムが好きなんだって諦めさせてあげるのだって優しさだと思うんだけどな!?!?私はそう思うよ!?!?!?ねえポップ!?!?っていいたいけどこいつ土台すけべ野郎だからな……。

で、マァムはマァムで回答保留中なので、ヒュンケルが好きなのかポップが好きなのか結局はっきりさせてはないけどポップにやや傾きかけって状態なわけですよ。もうほんとこの状態ほんと、ずるいわ〜〜、これほんとずるいわこの玉虫色の回答ほんと、ほんと……!!!!恋とか愛とかそういうことがわかってないからこそ、生来の優しさから生まれる気持ちとか単純な憧れとかそういうものが混じり合って、それを愛と錯覚している可能性を本人も認めてるし、それでもいいならってポップの了解は得てるので問題はないんだけど……、だけどっ……!メルルの立場からするとめちゃくちゃですよこんなの!!!!本気で惚れさせてみなさい状態を続けてるのはずるいよ〜〜マァムそれはずるいよ〜〜!!!!誰かを愛することがそう単純な話ではないのがわかってるからこそマァムのこの状態めちゃくちゃもどかしいんだよなぁ!!!!

修羅場〜〜〜〜!!!

そういえば一つ前の記事で「穏やかで控えめな女の子がめちゃくちゃ好きなので肩入れします」という話を延々してたんですけど、だからメルルに頑張って欲しいんだなと大変納得しました。だってマァムに勝てる望み薄そうな立場でそれでもやっぱりポップが好きで思念飛ばして会話できるようにまでなってるから……。報われるのは無理にしろ頑張って欲しいんですよメルルには……。

話逸れたついでに本編にはこれまた一切関係ない私の好みの話するんですけど、レオナが肉体取り戻したバーンに古式ゆかしい夢小説の俺様キャラみたいなこと言われてたシーンあるじゃないですか。あんな緊迫したシーンなのに例えが最悪。あれ見て4のノベライズ1巻冒頭のピサロ思い出したんですよね。唐突に。あんたなんか嫌い!ってロザリーに言われてんのに、唇を塞いでそのまま部屋に連れ込んだノベライズのあの男を思い出したんですよ。あのシーンのあの文章に私は多大な影響を受けてる。だからあれを読んでからもう10年以上経っても覚えてたし、こうして急に思い出した。まあ、だからなんだって話なんですけど。いやほら、世が世ならこのバーン変な方向に人気出てた可能性あんのかな……って思ったらしょっぱい気持ちになったというだけの話です。人気投票でちゃんとダイが一位になる時代でよかった、本当に良かった……。他のどんなことは受け入れられてもバーンが夢小説で口説いてくるのは流石にな……。いやそれはそれで面白いというかちょっと見てみたい気はしないでもないけどな……。

っていうか世の中どうしてラスボスは色素薄い髪でツラのいい男にしたがるんでしょうね。

私は今脳裏に某最終的な幻想の最初から数えて7番目の作品に出てくるラスボスのことを思い出しています。あいつのせいで人生狂ったって言いまくってますけど、そもそも銀髪に致命的に弱いという性癖を植え付けたのはスクエニのエニ部分だということを我々は忘れてはいけない。ちなみに私はノベライズのピサロがとても好きです。あれのせいであの男を好きになった。やっぱりエニ部分が罪深い。

 

あと前回多分死んでないと自分に言い聞かせたヒュンケルがちゃんと生きてて安心しました。マジのマジでマジな二度と戦えない宣告もされ、実際それ以降はずっと戦闘不参加でしたけど。でもまあHP1でオリハルコン相手に素手でやりあったヒュンケルのことなので、どうせ復活してるんじゃないかなと思います。ヒュンケルなので。彼の不死身さに対する謎の信頼。しょうがないよ……、最初の時から溶岩に飲まれてたのに生きてたわけだし……。

何気にラストシーンではラーハルトと旅してて、いい友に恵まれたなと思いました。あとマァムからの気持ちにはきっぱりと答えを出しているのでその点で好感度は高いです。変に期待を持たせず、明確に自分の立場を明らかにしているのでこの男のそういうところ推せる。

ただエイミのことは振ってないけど眼中にもなさそうなのはどうかと思うよ私。いやエイミからの告白を受けて得たものも結局戦いに繋げてるからだめだこの男。絶対結婚に向いてないぞこの男。

 

恋愛関係の話が続いてるので突っ込みますけどダイとレオナも進展死ぬほど遅そうだし、アバン先生はアバン先生で自分に寄せられていた思いに気づいてなかったので、この作品に出てくる男たちは類稀なる戦闘能力とは引き換えに、そういう感の良さを綺麗さっぱり失っているのかなと思いました。

あと誰がいる?ロンベルグ?だめだな、あの男も武器バカだしな……。ヒムとかラーハルト辺りはヒュンケルのことしか頭になさそうなので問題外……。わお……、マジで人材がいない……。こうなるともう一番いい男はクロコダインかチウかもしれない。

 

 

意味がわからない話になってきたのでそろそろやめますけど、なんていうか名作ってやつは違うな!という気持ちになりました。月並みすぎる感想ですけど、最高に良かった、これに尽きると思います。

バランとの親子の絆、あれだけ恐ろしい存在だったハドラーとの間に生まれたもの、絶対的強者として立はだかるバーンと、それに立ち向かうバトルの熱さ。いいところは山ほどあって、でもそれをいちいち書き連ねていたら何文字書いても足りないんですよね。だから書いては消し、書いては消しを繰り返した結果、何故かあの世界の男はどいつもこいつも恋愛に向いてないみたいなことを言い出してしまった点に関しては真摯に受け止めたいと思います。自分でも大変遺憾の意です。ただ、ともすれば重くなりがちな恋愛絡みの設定も少年漫画らしいさわやかなテイストを保って描いている点も、作品全体の良さを引き上げているポイントかなと思います。変に重くない。だから私たちは安心して少年漫画らしい王道のバトル展開に入りこむことができるのだと思います。恋愛に限らず、過ぎた力への恐れといった重たいテーマでさえも、あっさりと言えるくらい簡単に片付けてるんですよね。あっさりしている、だけどちゃんと爪痕を残してる。すごいバランスの良さなんですよ。掘り下げすぎると重くなり過ぎて少年漫画らしい勢いが殺されるし、かといって触れずにいれば話が浅くなる。

この作品が最後まで勢いを失わずに走りきっている裏には、こういう重たさを軽く見せるシナリオ面での努力とかもあるんだろうなあと噛み締めてしまったりするわけです。

てかさっきからずっと突っ込んでるポップとマァムとメルルの関係、あれが今のままで許されるのはこの作品だからだと思う。

 

とりあえず全巻購入して手元に置きたいです。置き場所ないですけど。

以上です。