ウサギ先生は月で跳ねる

前回に引き続き、風花雪月のとっ散らかった感想をつらつら書きます。

青獅子の話をします。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

本題に入る前に、少し書きたいことがあります。それは、今回、青獅子ルートを見て私が思ったこと。それは

話がわかりやすい

でした。このルート、主人公の出自も教会や闇に蠢くものたちの思惑も、一切触れられないんですよ。ひたすらずっとメンタルを病んだディミトリくんが立ち直って王になるまでの話なので、全体的にとてもとても話が単純なんですよ。人間関係も幼馴染や旧知の間柄が多くキャラ名以外の固有名詞が少ないという親切設計。私横文字に弱いオタクなので……。高校の時世界史取ってたけど。

そもそも学校パートのエピソードがやや青寄り(マイクランとロナート卿が出てくる)なので、そこからしてキャラに入れ込みやすいのも高ポイントでした。マイクランがシルヴァンの兄だということはアドラー受け持ってた時にもちゃんと理解してたんですけど、すごい序盤に出てくるロナート卿とアッシュの関係とか普通に理解してなかったですからね。まあ帝国に付くのに理解する必要も無いっちゃないですけど。でも知ってると愛着持ちやすいというか、たとえ担任じゃなくてもキャラに対しての見方が変わってくるよね。

なので、青のほうが士官学校で受け持った生徒たちが巻き込まれていく運命の話、として面白いなという印象でした。てか、私はこういう話を期待してこのゲーム買ったんですよ!ってなるので、話の構造自体でわりと満足度高いなと。真相何も明らかになりませんけど、その辺の説明は別ルートでするんだろうな!って思うくらい潔く不要な設定には触れなかったのも良かったです。セテスでさえレア様助ける気ねえので笑っちゃいますね。赤はわりと「みんな知ってるね?」ってノリで、ちらっとここで語らないエピソード挿入してくる時があり、知らねえ私は「????」ってなってたので。ディミトリのぶつけてきた憎悪とか、化けて出てきてるみたいなディミトリの意味とかやけに気になる感じだったお陰でかなり混乱してしまったよね。

前回かなり煮え切らない感想を書いてしまったなあと思うんですが、青をやってようやく

最初に赤はやめといたほうがよかったな

と思えるようになった気がします。あくまで私個人の意見なんですけど、赤の、特に紅花は「最低限ここだけは知っていないと理解しがたい要素」が結構多くて、そこを知って楽しめる段階に到達してないと、ひたすら混乱して全く面白くないことになるんじゃないかなって。紅花→銀雪の順番今となっては余計にわかりにくくなるだけだったなと思いますし。

あと、上にも書きましたけど、私自身が戦争という地獄に置かれた生徒たちを見たかったので、それをきっちり描いていた青は期待通りでよかったです。

などと書けば書くほど、うっすらと赤のシナリオに不満足だった匂いが立ち込めてますけど、私は逆に

青をやったことで赤のシナリオをようやく受け止め始めることができた

と思っているし、青やったからようやく赤を消化できてるところあるなと思っているので、とりあえず今回は青の感想と、赤との対比をつらつら語りたいと思います。

 

 

とはいえまずは青の話に触れたいんですが、全体的な流れとしては先ほど書いたようにディミトリのメンタルを健康にする話なので、まあ……、ぶっちゃけそこに関して語る必要は……、ないよね……。銀雪と同じく教会サイドを味方につけつつ、帝国倒すお話ですし。

ただ、このディミトリくん復帰させたみんなが持ってるエピソード一つ一つがすごくよかったんですよね。

あ、私一つ反省したいのが、前回面倒くさがって支援ほぼ上げないまま終わったんですよ。さっき見てきたらドロテアと女の子たちの支援以外ボロッボロでした。そりゃあエーデルちゃんとドロテアが添い遂げますわ。(※二人のペアエンドが出ました)

というのも、なんか日常の中でみんな切磋琢磨しあいながら自己研鑽してんなって感じの話が多い気がしたんですよ。ここあとで詳しく語ります。で、こう……、ほら……。私はどちらかというと、キャラの知られざる過去、心情、呪いみたいなものが見たかったので、そういう話が多かった青が肌に合ってたんですよね。あ、でもドロテアちゃんとフェルくんの支援は良かったですね、好きなやつでした。

まあそんな感じなので、

生徒たちは全員支援マックスまで上げました。

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もちろん、生徒同士も全員マックス上げられるところまで支援を上げています。

そんな私が好きなのはシルヴァンとメーチェの支援Aと、ディミトリとフレンの支援Aです。私の好きな男とか女のタイプを知っているみなさんはそうでしょうねとせせら笑ってください。知らない人は、過去の出来事に呪われ自分を自分の手でズタズタに引き裂きながら生きていた男が、ひた隠しにしてきたその生き方の辛さを理解し受け止めてくれる存在と出会う概念、をぶつけられるタイプの話で死んだ、とだけ理解してください。

ちなみに私はそもそもメーチェが死ぬほど好みだったので、レト先生だし男選べないからメーチェ一択!彼女と添い遂げるわ!って息巻いてたんですよね。そこにシルヴァンとの支援を見てなんて言ったと思います?

シルヴァンからメーチェを奪うようなことできない……

ですからね。限界オタクもここまでくるといっそ恐怖ですねははは。

ちなみに、メーチェと結婚したパターンでは、

  1. ドゥドゥーソロ
  2. アッシュとアネット結婚
  3. シルヴァンとイングリット結婚
  4. ディミトリとフェリクス仲良しエンド

だったんですけど、そのあと誰とも添い遂げないパターンで遊んだところ

  1. ドゥドゥーとイングリット騎士道エンド
  2. アッシュとアネット結婚
  3. シルヴァンとメーチェ結婚
  4. ディミトリとフェリクス仲良しエンド

でした。ふざけて言ったのに、なんか本当に奪ってしまってたっぽくて笑いました。

更にどうでもいい与太話なんですけど、私ディミトリを踊り子にしたんですね。踊り子。いや……、なんか闇堕ち顔した美形が高露出衣装着て踊ってくれたら最高だなとか思って……。それで何が起こったかというとですね、

口もきかない、ご飯も食べない、訓練にも参加しない、寝てない、幻覚見えてる、みたいな状態なのに頼んだら踊ってくれるディミトリくんが爆誕

イマジナリーグレンとかイマジナリーランベールパパにお話してたのすげー怖かったんですけど、なんかいっそそれよりも怖い感じになりました。病んでるのに踊ってくれるディミトリくん。シュールすぎる。従おう、じゃないから。君踊ってる場合と違うでしょ。いいからなんかマイスリーとか飲んで寝なさいよ。あとはご飯もしっかり食べて欲しいところなんですけど、ご飯……、ごはん……。味……。フレンの支援Aを開けたおかげで、無事にご飯に誘ったときのセリフで死ぬようになりました。料理作っても味付けは任されるんだよ……。分量が決まってるものはいいけど……って言い出すんだよ……。

 

もうこの流れでキャラの話をするんですけど、ディミトリくんはキラキラした正統派な王子様だったのに

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こうなるのでマジで興奮しました。銀雪で会いに来てくれた時からずっと思ってたんですけど、この5年後ビジュアル完成されすぎてない?顔が良すぎるんだよな、顔が。

それに加えてこの目の下のクマですよ。人相悪くなってて最高ですね。発言も物騒、笑い方も危ない。いいところしかねえな。最高だな。そんな病んだディミトリ(以下、病みトリ)が最高すぎて、フォロワー相手に「元気になったらショックでゲームやめそう」とか言ってました。好きすぎて病みトリくんとの交流日記とかつけてたし。

てんまのせつ 2のひ
きょうは でぃみとりくんが おはなししてくれました。
うせろ という ひとことだけ でしたが だいしんぽ だとおもいます。

とか、

こげつのせつ 8のひ
きょうは でぃみとりくんが 「……道を阻むなら、殺すだけだ」といってくれました。とうとう くとうてんが はいりました。
ぜんかいは うせろ のひとことだけ だったので たいへんなしんぽ だとおもいます。
このちょうしで もっとおしゃべり してほしいです。

とか、

たいじゅのせつ 5のひ
きょうの でぃみとりくんは わらってくれました!
わらいながら「ようやく殺せる……」といっています。しょうじき ぶっそうだな とおもいますが わらえるだけ まし になったのでは ないでしょうか。
まあ こいつ まえから わらいながら ひとごろし してましたけど。

とか、

たてごとのせつ 3のひ
くしくも このひは せんせいの たんじょうびでした。でぃみとりくんは すっかり めのしたのくまも とれて けんこうな かおに なってしまいました。
しえんかいわが よめて さいこうですが あくやくみてえな やみとりくんが とても こいしいです。

などと言っていました。自分のリアルな誕生日が5月3日なので先生の誕生日もこの日なんですけど、まさかの誕生日にディミトリくんが元気になって初めての散策が来たので笑いました。そういえば、誕生日にはディミトリくんがお手紙くれますけど、病みトリくん時代でもお手紙ってもらえるんですかね。もらえたら面白いのに。

ちなみに、紅花は4月終わりなので2回目の手紙をもらえず、銀雪は級長いないので、このゲームで一人の人間から二度誕生日を祝って貰えたのは今回が初めてでした。やったあ。

そんな彼は、とにかく優しすぎる人だなあという印象です。作中でも言われてますけど、優しすぎるが故にとても甘いので、国を背負って立つのには全く向かない人間なんですよね。まあ、青はみんな優しい子たちばかりなので、もうこれはお国柄なのかもしれませんが。

これまた青の子たち全員に言えることでもあるんですけど、特にディミトリは何かを失った喪失感に喘ぐ人間なんですよね。ダスカーの悲劇で失った家族や友人たちをはじめとして、今まで自分が殺してきた人々のことも、自分の命令で死んでいった人々のことも、全て背負いこんでしまう。なんの関わりもない通りすがりの村人のことでさえも、失ってしまえば胸を痛めて喪失の記憶を刻んでしまう。

悲しいけれどそこに囚われては何の解決にもならない、と立ち上がり、自分の目的のために兵が死ぬことを必要な犠牲と割り切れるエーデルガルトとは何もかもが対照的なんですよね。父親が死んだ先生に対して、立ち上がることを促すエーデルガルトと、寄り添うことを選ぶディミトリってところからしてもう真反対の対応だし。ただまあ、この時のディミトリ病んでて怖かったですけど。お前のために槍を振るおうってなに。共通の敵が出来て、仇を殺す大義名分がますますしっかりしたからか。

そういえばディミトリってやけに好戦的なところがあって、それをフェリクスからは猪王子なんて揶揄されてますけど、単純に人殺しが好きというより、自分の守りたいものを脅かす脅威を取り除けて嬉しいみたいな感情がちらちら見えますよね。敵であるとか、弱者を不当に虐げているとか、そういう大義名分がない相手を手にかけてることはないみたいですし。本当に快楽殺人者なら無抵抗の村人とか殺しててもなんらおかしくないじゃないですか。それをしないってことは、要するにそういう理由であんな壊れ方したんだろうなあって。

というかそもそも、現代的な倫理観で言ったら殺人とか絶対的にアウトですけど、この倫理観も現代とまるで違う中世の、しかも戦争中のことなのがね。自分に害をなさない村人を無為に殺しまくったのではなく、手にかけてるのは敵対勢力がメイン。変な言い方ですけど、戦争中に敵を殺すことを誰が咎めるんだって話です。人を殺さなきゃ自分が死ぬのが戦争ってもので、そんな行為をやってんのに、それでも自分の手で誰かを殺してしまった人々の人生を思って苦しんでるんですよ、ディミトリ。自分の手で奪った命を惜しむ誰かの存在に胸を痛めてる。自分が失ってしまって辛くて、その辛さからずっと抜け出せずに苦しんでいる。だから顔も知らない誰かのことにさえ自分を重ねて、同じような痛みを与えてしまったことを悔いる。この人本当に王に向いてない。

エーデルガルトは逆に、そうして奪われて傷つけられてもなお立ち上がることができる人間のポテンシャルを信じてる節ありますよね。ディミトリはそもそも傷つかないようにしてあげたくて人々を守るけれど、エーデルガルトは傷ついたって人は前に進めるからと人々に多少の傷が付くことは厭わない。そりゃあ気が合いませんわ。

で、青のシナリオで一番感じたのはこの「守る」という部分なんですよね。

例えばドゥドゥー、彼もまたダスカーの悲劇で家族どころか同族の大多数を失い、住む場所も無くした。残ったのは心無い罵倒の言葉だけ。そういう状態で、それでもディミトリが自分を守ろうとしてくれてるんですよ。どんなに偏見や差別を浴びせられても、ディミトリは自分の存在を肯定し続けてくれた。それどころか、あの悲劇の日に身を呈して命さえも守ってくれている。だからドゥドゥーはその恩に報いたくて、命をかけてディミトリを守ることを誓っている。実際、斬首されそうになっていたディミトリを彼が体を張って助けてますからね。支援会話でも、自分という存在を肯定して受け入れてくれる誰かを庇うことが多いんですよ。誰かを守ることが、今の彼が自分に課した役割なんですよね。そういえばメーチェとの支援Aで、おそらくメーチェが好きなのに彼女が鈍くて話が通じない流れがあったの可愛くて好きでした。めっちゃ可愛い。

そしてシルヴァン。彼もまた、紋章を得て生まれてしまったせいで、自分自身へ向けられるべき愛情を失ってるのがポイントです。兄は言うまでもなく、親や女たちには愛されるけれど、それは紋章があるから。誰もシルヴァンという人間そのものを愛そうとしないのが、実のところ彼の心に深い傷を刻みつけていることがわかります。だけど、今の仲間たちは皆、誰も紋章を持つゴーティエ家の息子としてのシルヴァンなんか見ちゃいないんですよ。女にだらしなくて、適当で、だけど憎めなくて才能があるお兄さんだと思って接してる。ドゥドゥーと同じく、存在を肯定されてるんですよね。だからシルヴァンも、やっぱり誰かを守ることで今のこの居場所を失わないように振舞ったりするんです。フェリクスの支援会話なんかまさにそう。

あ、アネットちゃんとの支援会話で、自分の能力を羨ましがられた途端にそれを隠そうとしたところ、あまりにも悲しくてよかったですね。女の子に花を持たせる云々言ってましたけど、あれ要するに嫉妬されて妬まれて自分に危害を加えられないようにするための防衛本能ですからね。はあつらい。

イングリット、アッシュの二人は揃って騎士に憧れていて、そこからしてもう誰かを守るための存在としてありたいと思ってることが透けてますよね。仕えるべき人のもとで力をふるい、時には命をかけてその人を守ることさえある職業への憧れを持つあたり、やっぱり二人とも「守り」の側にいるんです。イングリットちゃんとフェリクスの支援なんてそのものズバリ守ることに対しての向き合い方みたいな話でしたしね。何を優先するのかっていうやつ。

同じくアネットも、メーチェとの支援会話がまさに「守り」の姿勢を見せる話でした。厄介な賊に絡まれたメーチェを守ろうとして頑張って、ちょっと喧嘩したりする友情ストーリー強めの百合。それと、ディミトリに対しても「父親のようにならないために(=父親のようにメンタル病んでしまわないように)見守る」と発言しているので、やっぱりここでも守り、なんですよね。

そしてメーチェなんですけど、この人は物理的にというより、精神的な面で誰かを守り支えたいと願って生きる人だなあという印象なんですよね。家が取り潰されて父親に捨てられ、自分を身ごもった母親は違う男と再婚するも、後継となる男が生まれたら用済みとばかりに母娘は捨てられ、教会に身を寄せて過ごしていたところまた別の男に拾われるもその男も紋章目当てという有様。

喪失の連続だった人生の中で、優しく自分たちを保護してくれた協会の人々に感銘をうけ、自分もそうやって弱い誰かに寄り添い守る存在になりたいと生きている。そんな彼女だからこそ、ひたむきに誰かの心を守ろうとするんですよね。特にこのクラスはメンタルに問題がある男が多いので、彼女のそういう優しさはぴったりはまっている気がします。実際、私の気を狂わせたシルヴァンとの支援Aでは私があなたを守るわと発言してますからね。シルヴァンの心の脆いところまで踏み込めてるのメーチェだけって事実普通にやべーからな。先生男だからそこまで踏み込ませて貰えねえんだぞ。

そして最後、フェリクスなんですけど、実は意図的に彼の話を避けてきてました。というのも、ディミトリと並んで誰かを失いたくないと思っているのは彼じゃないかなと思ったからです。

素直じゃないタチなので、かなりつっけんどんな言葉が目立つフェリクス。ただ彼がそうやってぶっきらぼうな言葉をぶつけるのは、全て死んだらそれで終わりなのだから、無為に死に急ごうとするなという気持ちの表れだよなあと。だからディミトリのために命を捨てようとするドゥドゥーのスタンスを彼なりに諌めようとするし、自分のために命を捨てるかもしれないシルヴァンには死ぬときは一緒だと約束しただろうみたいなとんでもねえことを言いだすし、ディミトリが自分より先に死んだら王妃より嘆き悲しむんですよ。マジでとんでもないよね、後ろの二人とか特に。人が死ぬと悲しいから死んでほしくないっていう、めちゃくちゃ当たり前のお話を意外と情動的な形で我々に提供してくれるんですよこの人。兄を失った時の悲しみが、多分ずっと残ってるんですよね。同じような目にあいたくないし、同じような気持ちを味わってほしくもないし。そういう気持ちを素直じゃない言動に乗せてるんだろうなあって。

そういうフェリクスもメーチェを庇って怪我をしているので、もうなんか……、ほんと……、この人たちは誰かを守ることがベースになってるんですよねえ。まあ騎士の国だからってのはあるけれど。

 

ここで赤のみんなのお話をするんですけど、赤の子たちって死にたくないなあってよく言ってた気がするんですよ。死にたくないの。だから支援会話でも散策中の会話でも、死なないために何かをするとか、死なずに未来を迎えたら何をするかとか、そういうお話が多い気がするんですよ。

誰かを守るために自分の命を軽視しがちな青組さんとはえらい違いですね。

えらい違いなんですよ。ここ、これですよここ。例えばヒューベルトとドゥドゥーの従者としてのスタンスの違いにそういうのが出てきてる。ここ。露骨に出てる。

ヒューベルトって、エーデルガルト様のために手を汚すことを厭わないんですよ。彼女のためにいくらでも人を殺そうって言ってるんです。人の命を奪うことで彼女の覇道を守ろうとするんですよね。一方ドゥドゥーは、先述の通り自分の命をかけて守ることが彼の行動ベースなんです。だから作中で本当に命をかけてる。いざという時に、自分の命でもって殿下を守ろうとするんですよね。

死んだら支えられないから死にたくないヒューベルトと、死ぬことで主人を守れるならと覚悟を決めているドゥドゥー。ほらね、真逆。ヒューベルトはエーデルガルトに死ねと言われれば死ぬけれど、それを彼女が望まない限りは生きて彼女に尽くし続けるし、ドゥドゥーは生きろと言われてもそれで殿下が死ぬなら絶対に譲らない。

エーデルガルトとディミトリのスタンスの違いが最もはっきりフューチャーされてましたけど、意外と他の子たちも対比されてるんですよね。ちょっと毛色が違いますけど、厳しく躾けられるあまり引きこもりになったベルちゃんと、厳しく躾けられるあまりワーカーホリック気味の頑張り屋さんになったアネットも対比っぽいですよね。

あとこれは対比というか私の願望というか……、なんですけど、シルヴァンがもっとバカに生きられてればなって思ったりするんですよね。それこそカスパルみたいな単純明快な思考回路で生きてれば……、リンハルトみたいなそれはそれ、これはこれみたいな考えしてれば……、っていう。だってシルヴァン、自分のことを雪山に置き去りにして井戸に突き落とした兄のことさえも気持ちを考えれば仕方ないと言ってあまり恨んで話いないそぶりを見せてくるんですよ。境遇はたしかに可哀想ですけど、だからって明確な殺意を持たれて殺されかけてまで兄のこと責めずにいるのがもう……。

この点、リンハルトあたりが同じことされてたら「殺したくなる気持ちは分からなくもないですけど、それで僕が酷い目に遭わされたことを許せるかって言われたら、まあ許せませんよね」っていうと思う。あいつはそういう男だよ。同情と恨みが綺麗に切り離されてるタイプ。強い。

あとカスパルなんて善悪のグラデーションとかなんも気にしてなくて、悪りぃやつは倒さねえとダメだろ!って感じで、敵認定したらズバズバ倒すタイプですからね。父親のことを殺すのも全く躊躇ってなさそうだし。親子の絆がってんじゃなくて……、とか言いながら父親の話するからな。この辺はディミトリくんも見習ったほうがいいと思うよ。

 

そういえば赤の子たちは敵を倒すこともさほど躊躇いないというか、かつての仲間を手にかける覚悟くらいとっくにしてますって感じがある。青の子たちはわりと手にかけることに対して思うところのあるという発言が多いんですけど、赤はさっきも言ったように死にたくないので殺すしかないと割り切れてる部分が感じられるんですよね。エーデルガルト自身が犠牲は仕方ないと割り切れてるせいか、余計にそういう強さを感じるんですよね。

ドロテアだけはさっきから挙げてる要素全てないですけど。

彼女は戦争で苦しめられる側の人間だったから、上に立つ貴族としての生まれではないからこその、覚悟の薄さとか脆さが滲む発言あって共感しやすくて好きでした。青の子たちも貴族多いけど、みんな何かを失ってきてるから、ドロテアみたいに失うことへの恐れとか不安を口にしがちなんでしょうね。

そういう意味では彼女は意外と青のほうが親和性高いんじゃないでしょうか。ペトラはそも素直で真面目ないい子だから青でやっていけるよね。アッシュとのペアエンドもあるし。逆にフェルくんは青絶対ダメなタイプだと思う。まだ触れ合ってないけどローレンツも青向かないし、リシテアも多分ダメ。レオニーも合わないと思う。マリアンヌは話しかけようとして間違えてスカウトしたが故にうちにいたんですが、おかげさまでメンタルの病院みたいなことになりました。情緒不安定のお手本のようなディミトリ、軽薄そうな顔の裏側はぼろぼろのシルヴァン、自分の存在を呪いとして生きているマリアンヌ、ダスカーでの己の無力を嘆き罪の意識を持て余すギルベルト。メンタルの病院ですね。

あ、ラファエルはめちゃいい人っぽいから、優しすぎるのが欠点みてえな青もいいかもしれないですね。ディミトリとの筋肉支援あるらしいし。

それ知って思ったんですけど、なんかもうディミトリくんはラファエルくんとのペアエンドを迎えるべきだと思いませんか。筋肉は裏切らないエンド。むきむきマッスルエンド。ディミトリくん病むこともなさそうだし、一番健康的だと思われるので……。

 

 

とりとめがなくなってきたのでそろそろ終わりたいと思うんですが、あらゆる場面で青と赤は対比というか表裏一体みたいになっており、なんとなくそう見たときに最後に赤をやり直したいなと思えたし、最後にやったらおそらくめちゃ面白いよなと思ったので、金鹿終わったらやり直したいと思います。

以上です。