ウサギちゃん春のお散歩

このどうぶつは中学生の頃に銀魂を履修して以来新選組モノにどハマりし、その後大河ドラマ新選組!』のせいで俳優推しになるまでひたすら関連作品を追いかけまくっていました。

前置きおわり。どうでもいいですが一番直近に履修した新選組関連コンテンツは『PAPUWA』です。CV森久保でドSの沖田総司が出てくる、ほかの出演者に遊佐と鳥海がいる、なおCV鳥海キャラは黒髪、まで条件を絞り込んでもなお薄桜鬼なのかPAPUWAなのかがわからないという面白コンテンツです。助けてください。

 

というわけで

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和泉守兼定を展示している期間に土方歳三資料館に行く

という実績を解除してきました。14際の頃からの悲願だった和泉守兼定を展示している期間に土方歳三資料館に行くという夢をこの歳になってようやく叶えられて泣きそうなくらい嬉しかったです。

しかもどうやら同資料館は今年(2022年)の10月に一旦閉館するとのことで、その後は未定、土方の誕生日に合わせてゴールデンウィークごろに毎年公開されていた兼定も今見ないとしばらく機会が訪れない……、ということで、今しかない、今行くしかないと意気込んで出かけたわけです。

ただ、奇しくも今年は刀剣乱舞とのコラボを行うとのことで、めっちゃ混雑するのが分かりきっていたため朝の6時に起きて家を出ました。万全を期して臨んだ。

そんな本日は降水確率100%朝から雨降ります!という予報でしたが、前夜にお願いだから雨降らないでください……!と空に祈りを捧げたところ、無事に午前中は雨降らなかったので私は強い女。

 

というわけで朝もはよから出かけた土方歳三資料館。最寄駅が多摩モノレールの万願寺駅というもはや全く想像のできない場所でしたが、周辺歩いた感じ概ね大分県だったので安心しました。平屋のサイゼリヤとコンビニ。この安心感。遠くに低めの山があって、山にへばりつくように家が建ってる景色、安心感。

てか

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めっちゃアピるやん。

 

そう思っていましたが日野という自治体自体が土方歳三新選組に全力で乗っかってるような気がしたので何も言うまい。まあな、私が半年間だけ住んでた薩摩こと鹿児島も何かにつけて西郷だったしな。そういうもんだよな世の中って。

まあ私は鹿児島市民していた際に収めた税金を全額日野市に入れてえな……とか思ってましたけど。

次点で愛知県岡崎市です。お察しください。

 

さて、肝心の展示についてなのですが、もうこれ、ほんと、ほんとに意味わかんないくらいよくて……。何がいいって土方歳三の生家に伝わる諸々が展示されているわけなので、つまりどこよりもガチなんですよ。

歴史好きな人だとわかると思うんですけど、なんかこういう展示ってわりと「本人の名前が書かれた書状」とか「本人が使用していたものと同一時代に作成された一品」とかのなんとなく概念的な展示が多くなりがちじゃないですか。時代が古くなればなるほど形あるモノが残らないから致し方ないとはいえ、なかなかどうしてこれ推しカプ概念アイテムじゃない!?と言い出すオタク仕草みたいな内容になりがちなんですよ。

ただ、流石は生家。

みんな大好き豊玉発句集が展示されてる

のでもうダメ。確定で本人が書いた直筆アイテム(しかも句集とかいう後世に残されたくなさそうなブツ)ですよ。興奮するなというほうが無理。みんなも豊玉先生の「梅の花 一輪咲いても 梅は梅」という屈指の名作を目に焼き付けよう。辞世の句には表記ブレあるのに発句集は原本が残ってるから一言一句違わない形で残ってるの強すぎ。

ただそうは言ってもこれがかの有名な……!となる品だけが最高ってわけでもないんですよ。例えば日用品とか実際身につけてたものとかも実在感じられて強いと思うんですよね。そういう点で意味わかんなかったのがガチで身につけていた鉢金が展示されてることですね。なに?故郷に自慢したかったのかなんなのか知らんけどいちいちそんなもの実家に送るな。いや送ってくれたからこそ現代の私が見て興奮できてるわけですけどだからって送るな。ありがとうございます。助かります。

というかほんとにここまで品物が残ってることってマジでレアだと思う。幕末で比較的時代が近くモノが形をとどめて残りやすいこともあるものの土方がえらくマメに実家に手紙出したり物送ったりしてたのが功を奏してる感じがあって最高でした。この人、戊辰戦争中に亡くなってて本人の遺骨も見つかってなくて、でも遺品は結構しっかり残ってるのがまずもってかなりすごいんだよな……。愛刀の兼定然り、写真然り。きちんと家族の元に届けられてるのが強すぎる。まあここに関しては市村鉄之助の功績だし、届けてくれてありがとうの気持ちしかないのだけど。本当にありがとう……。しかも逆賊であって明治政府樹立後は立場が決して良くはない新選組のそれも副長ゆかりの品々をきちんと保管して後世に残せてるところがすごいと思うんですよね。

とにかくなんていうか

現存しててすごい。

そこに尽きました。こんなに現存してること、あるんだ……。

ちなみに兼定ですが、刀身は研ぎ直されており当時の姿ではないのもあってノーコメントではあるものの、なによりやっぱり朱塗りの鞘が土方っぽくてグっときましたね……。華美ではないけど地味ではない。うーん、あまりにも土方っぽい。

あと普通に刀身が短いなと思いましたが、これに関しては見たことのある刀が三日月宗近(太刀)、太郎太刀(大太刀)、江雪左文字(太刀)というラインナップなせいでしょうね。初の打刀。ちなみに私はこれでもサービス開始日から呪われてると評判だった相模鯖で審神者をしていた女なので多少は刀を見ています。初期刀は歌仙です。兼定作だからです。和泉守の兼さんと絡みあるかなって思って……。もちろん蜂須賀とも悩んでいます。虎徹なので。あと言うまでもないですが加州清光も選択肢に入ってました。言うまでもないですが。

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もちろん撮りました。

そういえば兼さん、ぜんっぜん来なくて三日月宗近は2体いるのになんで兼さんいないの?という時期があったんですよね。余談でした。

 

さて、そんな資料館を後にして向かったのは石田寺です。

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ようやく墓前で手を合わせることが出来ました。

やっとここに来ましたと手を合わせることができて少し感慨深い気持ちです。

遺骨はそこにないけれど、こうして訪れる場所があるというのは救われるような気持ちがしました。祈りはこうやって生まれていくんだな。

大賑わいの資料館と違い、場所もひっそりしているためか足を運ぶ人はあまり多くなかった印象です。静かに皆自分なりの思いを持って墓石に向き合っている空間はなかなか思うところが多かったですね。

そういえば明日は近藤さんの命日。疲れ果てており三鷹のほうまでは足を運べずお参りができなかったのが悔やまれますが、板橋の供養塔とあわせて訪れたいなと思っています。あと櫻田神社ね。新選組の人たちは東京都内にゆかりの地が多くて助かる……。

ただでも、私が一番訪れたいのは会津にある近藤さんのお墓なんですよね。龍源寺のそれと違って遺体そのものが眠っているわけではないけれど、あそこはまさしく人の祈りの象徴みたいな場所じゃないですか。土方歳三近藤勇に対して抱いていた感情が形になってそこにある場所だから、個人的には一番訪れたい場所なんですよ……。

 

と、感慨に耽った後はサイゼでご飯食べて

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お散歩しました。高幡不動尊

一駅分のモノレール代をケチって歩いて行きましたがわりと余裕で歩けました。まあそんなことするから疲れ果ててさっきまで寝てたんですけど。

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やはり目立つのはこちらですよね。実家に胸像、寺に銅像。つよすぎ。

これは余談ですが、鹿児島県民は西郷隆盛は好きだが大久保利通はそんなに好きじゃないようで、西郷の銅像は足元を木々で囲みライトアップして照らし小さなお堀には錦鯉が泳ぎ……とすっげー気合い入った様子を見せてくれるんですが、大久保の銅像は橋の近くにぽつねんと建てられており、たまにすぐそばを高校生がたむろしているという扱いの差があります。ウケる。

話を戻しますが、銅像もさることながらやはり特筆すべきは隣の顕彰碑かなと思います。

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徳川慶喜に篆書で題字書いてもらおうとしたけど泣くばかりで返事がないので松平容保が書いた

とかいうおもろエピソードがあるこちらですね。泣くばかりで返事がなくって面白すぎるし慶喜お前はそれでいいのか。あれか、関わりたくなかったのか。そうか。

慶喜に依頼したけどダメで松平容保が書いたというこのエピソードがなんとなく新選組ってそういうところあるよな……と感じるんですよね。なんかそういうところありませんか。慶喜に振り回されてるというか、松平容保の苦労人体質というか。歴史って感じがする。

新選組関係ってこういう石碑系も多いので行きたいなあと思ってるんですが、今のところ一番行きたいのは箱館の碧血碑ですね。具体的なことは何も言えないけれど慰霊はしたいというここもまた祈りのような気持ちが滲んだ場所なのでグッとくるんですよ。余談ですが私は鳥羽伏見以降の新選組に対する興奮が強いオタクです。あと多摩時代も好きですが、両者共にとある作品たちの影響によるものなのでこの辺は後述します。

 

で、高幡不動尊を後にしてバスで向かった先が

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ここの特別展示すげえよかったので200円払ってみんな行ってください。

今日一番伝えたかったことはこれです。行ってください。マジですげえよかったので。

常設展示は基本的に日野宿の歴史的背景と新選組周辺の歴史を解説している感じなので、THE学習施設といった作りになっていました。あ、あのね相馬主計が新島に島流しされた時の手記について触れられててすごい良かった。多摩時代から近藤と共に歩み時代の終わりである箱館戦争で死ぬというある意味新選組の歴史そのものみたいな生き様を見せる土方の力が強すぎてこの人のことあんまり語られないけど、代理とはいえ最後に局長として名を記したのはこの人なので触れられてたのめっちゃ嬉しかったです。

あと特筆すべきは

CV森川智之土方歳三が出てくるビデオ上映している

という点です。私はいささか頭がおかしいのでロックの絶大なパワー感じるな……(みんなも幕末Rockをやろう)とか思ったのですが、冷静になって考えると中学生当時にこれ見てたら狂い死んでたな……って感じだったので初視聴が今でよかったー!!!!

(※セフィロスのせいで声豚になったためCV森川智之に弱く、しかも土方のオタクなのでお察しください)

 

で、例の特別展示なのですが、創作のなかで新撰組がどう描かれたかをテーマにしていろいろな作品を取り上げながら解説してるという内容なんですね。

めっっっっっっちゃ良かった。

子母澤寛新選組始末記のおそらく初版が置かれているところでだいぶグッときたし、それまで近藤が主人公だった新選組作品が『燃えよ剣』の登場により土方や沖田らがメインの作品に様変わりし、以降我が人生をガチで狂わせた『新選組!』が作られるまでの40年間近藤が主人公のものが制作されなくなるという司馬遼太郎さあ!というエピソードにも触れられててめちゃよかったです。ただ私は燃えよ剣の土方そんなに刺さらなかったので、近藤勇をメインに据えるとどうしても流山からの板橋で話が終わる問題も大きかったんじゃねーかなとは思っています。土方をメインにすると時代の一区切りになる箱館戦争まで描けるからそういう意味でキリがいいというか、さっきも書いたけど多摩から箱館までの始まりと終わりを初期メンバーの土方が駆け抜けて行ってるの、わりと普通にドラマチックなので……。描き方の魅力はもちろんですけど、そうできる下地が彼にあったのもでっかいと思う。

とまあ私はそういうことを考えたがるオタクなので、やはり一番よかったのは漫画やゲームアニメといった作品での描かれ方に触れたコーナーでしたねと言わざるを得ません。マジで良かった。

ここで私がいいなと思ったポイントは、いくつかありますが、新選組モノの作品について「死なせたくない系」と「滅びの美学系」と解説者なりの視点で分類して語っていたことが大きかったですね。確かにそう。これは確かにそう。ちなみに私は滅びの美学系が好きすぎるので、ちゃんと順当にみんなが死んでいく様に狂います。山南さんから始まり箱館の土方まで順次おかしくなっています。助けてください。この死が重たくなるように、丁寧に丁寧に多摩時代のわちゃわちゃした青春群像的な描写をたっっっぷり挟んだ新選組!とかいう大河ドラマがずるいです。誰か三谷幸喜を止めろ。俺が時間遡行軍になってやる。そういえばとうらぶの映画、山本耕史八嶋智人が出てますね。助けてください。

そんな私がマジでめちゃくちゃ好きすぎて、当時の友人に勧めたものの絵柄で軽んじられたことを今でも根に持っており、鳥羽伏見以降の少しずつ崩壊していく新選組に対して大変な気持ちを抱くようになった原因『北走新選組』についてめちゃくちゃいい解説文がついててよかったので見に行ってください。菅野文の新選組作品については全て触れられてるので行ってください。というか『北走新選組』は鳥羽伏見以降の新選組の話しかしていない点や、登場人物が野村利三郎、相馬主計土方歳三一人を除いてマイナー寄りである点が結構というか相当珍しいのでそういう切り口で語られやすい中、あんまり触れてもらえない『凍鉄の花』もちゃんとスルーせず触れてくれてたの最高でした。ちなみに私は伊庭八郎をこの作品で知った。『誠のくに』もちゃんと!展示されてたしな!嬉しい!

関係ないですが同じ作者の『薔薇王の葬列』もまた好きなんですよね。組!のせいで気が変になり堺雅人の出演作を見まくっていた中で視聴した謎映画でお馴染みのスキヤキウエスタンジャンゴの作中、薔薇戦争の話が出てきたためその流れでシェイクスピアのヘンリー6世を読んだ女なのでダメでした。こんな因果のつながり方ある?

あと好きなんですけど意外とあんまり履修されてない感のあることで私の中で勝手にお馴染みの『PEACE MAKER鐡』にも相当力入れてくれていたのが最高でした。最高すぎ……。お家騒動あったのでアレですけど鐡じゃなくて新選組異聞のほうはエニックスが噛んでるのでだめ。関係ないけどダメ。あと俺はエニックスに人生を狂わされた。さらに全然関係ないですが私は同じ作者の『Vassalord. 』が大好きです。また同じ作者シリーズ。ドMの薬中86かわいいね。もうダメかもしれない。ダメです助けてください。

てかピスメ、言われてみれば確かに大河ドラマ以前の作品でありながら、山南敬助という人物にかなりしっかり焦点を当てているのが印象的ですね。私は昨今の新選組モチーフ作品における山南さんの扱いやキャラクター造形に謎の統一感があるのは三谷幸喜堺雅人のせいだと信じているんですが、これより前に山南敬助という人間にフューチャーしてさらにまさにそっち寄りのキャラクター造形してるってのは興味深いことなんですよね……。ちなみに展示でも堺雅人の演じた山南敬助がもたらした影響のデカさに触れられててやっぱそうだよなって思いました。あと作中でオダギリジョー演じる斎藤一が彫ってた謎の仏像が置かれててドチャクソに興奮しました。もうどうしようもないです助けてください。

 

あと触れられてて嬉しかったのが『ひなたの狼』ですね。土方がすっげー女顔で有名なんですけど世間はそうじゃない。どうして。沖田が美少年じゃないんですよ、朴訥とした青年なんですよ。私はそこが好きです。沖田総司、少なくとも外見には特筆すべき点がない普通の青年であったと私は思ってるので。土方はまあほら……、確定的に顔がいいから顔がいい土方しかいないけど、沖田総司には余白があるじゃん余白が……、ね?

あとこういう場ではあんまり触れてもらえなさそうな銀魂とかいう作品にもちゃんと触れられてて、沖田の及ぼした影響についても触れられてたのでよかったです。ところで私は銀魂の沖田が分水嶺と信じていたのにPAPUWAにそれをひっくり返されて面白くなってしまったので、大河が分水嶺だと思ってたけど言われりゃピスメが先だわ案件とセットで後日めちゃくちゃ語りたいと思います。

というわけで

オタクのウザい語りが止まらなくなる最高の展示

でした。見に行ってください。後生だから。私……、年明けに組!総集編再放送を浴びせられたショックでずっと組!の話をしてて、そこで(フォロワーが藤原竜也沖田総司に狂っていたので)沖田総司のキャラクター造形について語っていた最中にパプワ履修してしまってマジでおかしくなったから……。ずっとこのキャラ造形の話してるからわりとマジで……。

 

あと

ガラスケースに入れて展示されている幕末Rockとかいう今後の人生で二度と拝めないかもしれない光景が拝めて最高だったので行ってください。

ちゃんとCV森川智之土方歳三被りについて言及されてたのが面白すぎて笑いながら退館しました。静まれ、静まるんじゃない!

いやもう風光るの土方は声が上川隆也なんですよ怖いですね(※過去記事読んでもらうとなんとなくわかりますが私にとってこの情報は爆弾です)とかあっちるらんが置かれてらあ……(※誰よ裕一郎って!誰よその男!と私に叫ばせたアレ)(※鈴木達央がちるらんのニコ生で共演した梅原裕一郎のことを「裕一郎」と読んだことに発狂したエピソードの話をしています)とかなんかこう、枚挙にいとまがないのでもうやめますけど

 

新選組を履修するだけでここまでめちゃくちゃになれるからコスパいいですよ。

日野市に住みたいです。以上です。