流行りの呼吸

母親がドハマりしたついでに私も鬼滅を読みました。感想です。

なお20巻までしか読んでません。

 

 

やっぱいますよね!!!!上弦の弐推しのオタク!!!!!!!!

カートリッジになりたいボンドルドの夢女子がいる世の中なのであいつが好きなオタク絶対めっちゃいるだろうなと思ったんですけど、雑な検索しただけでそこそこいたので「だよな〜〜〜〜!!!!!!!!」と思いました。絶対いるよな〜〜!!!!信者になりたいみたいなオタクいるよな〜〜!!!!よかったよかった、それがわかったら私はもう満足ですありがとうございました。

ところで私は顔だけなら無残様も好きなんですけど、なんかこう、刺さらないんですよね。私の人格破綻者ラスボス属性男好き項目に一人でめちゃめちゃ引っかかった上弦の弐だいぶ高得点でした。ありがとうございました。

あとはうずいさんの顔が好きみたいな話で終わろうと思います。まあ好きですよね、髪長いし大胸筋も大きいし。好きですよね。妻がちょっと多すぎる気がしますが……。

 

真面目な話、鬼滅流行ってるだけあってマジでテンポいいんですよね。さっさと進む。余韻とかドラマチックさとかそういうのをいい意味で切り捨ててサクサク進むんですよ。

ゲームのオタクと最近お話をしているんですが、その場でよく話題になるのが「人の死を徹底的にドラマチックに描くのはFFで、死そのものは淡々と描いて残された人のその後を描くのがドラクエ」っていう作品毎の死の描写の違いについてなんですよ。

で、この作品は人が死ぬのは大前提の世界観なので、いい意味で死を引きずらないし、特別扱いしてない印象を受けました。だけど淡々としているかと言ったらそうではなく。この作品、終始ずっとフィジカル面で劣っている部分は鍛錬や外的要因でどうにかできるので、とにかくメンタルを強くしろという信念が貫かれているじゃないですか。小柄で非力ゆえ鬼の首も落とせはしないけれど、鬼をも殺せる毒でその剣士としての致命的な欠点を補うしのぶさんとか典型的ですよね。最愛の姉を殺されたことへの怒りが彼女を突き動かしていたので。

だから、誰かの死にはメンタル強化のトリガーになる強い感情が必ずセットになっていて、決して淡々と終わるわけではないんですよ。だけどなんかあっさりしてる。いい意味でくどくないんですよ。まあ人死にまくるので、一々ドラマチックに感傷的なシーンを入れまくっても読み手がうんざりするだけなので、あえて淡々と描写したんだと思いますけど。スピード感をかなり重視している作品なのでなるほどこのある種の割り切りは読んでて「重くない」と思えてすごくよかったです。

ただこの「重くなさ」が私の好みとはちょっと違うなという感じでした。私は地獄とそれに伴う人間の深くて重たい感情が大好きというのは度々ここに書いている通りなんですが、この作品いい意味でみんな受け継いで前に進んじゃうのでそうか……、ってなるんですよね。唯一冨岡義勇さんだけはわりと長めに過去の出来事で足を止めてたり、ほぼ面識のない状態で禰豆子が人を食った時は腹を切るとか言いだしたり、なんかちょっとこう重たい男だなとは思ったよね。でもわりとあっさり前向いたし……。もうちょっと拗らせててもよかったよ。

あとこの作品、悪役を魅力的に描こうとしてないな〜と思ったんですよ。可哀想な存在にはするけど、あえて魅力的にすぎないようにしてるというか。可哀想!殺さないで!の声を出させないようにしてるというか。人殺しの鬼は死すべし!のルールを徹底させてるというか。その鬼の可哀想なバックボーンが出るのも必ず首切り落とされた後だし。悪役につきものの死なせないで!を的確に封じ込めてるなあと。

これは勧善懲悪としては圧倒的に正しいし、だからこそやっぱり柱や隊員の推しが多いんですよね。無惨様とかめちゃめちゃ顔いいのに、無惨様推し!ってオタクを全然見ないですもん。ヒステリックな女王様受け好き層にクリーンヒットしそうだけど、全然そういう創作自体されてない。いやオタク自体はいるとは思ってますよ。ただ、ジャンル規模的には絶対もっといていいのになって思っちゃう。でもいない。

そして私のようなどちらかといえば悪役好き、の人間が実際漫画を読んだとき、確かにリーチしないんですよ無惨様。好きなのに。好きなのに届かない。やっぱり柱かな〜とか思っちゃうの。そういうところから悪役の魅力はわざと描かなかったんだろうなというのをひしひしと感じました。

ただ、冒頭、触れた上弦の弐はそれでもなお好きにリーチしやすい悪として魅力的な男だったのでこの作品にしては珍しいなと思ったし、検索して結構な人が好きと言ってるのを見かけて安心したんですよ。あー、性癖が素直じゃないオタクにも居場所あったーって。おそらくこの作品の性質上、めっちゃめちゃめちゃ肩身狭いと思いますが強く生きていってほしいなあと思いました。

 

私の推しですか?

特にいないです。

 

 

以上です。