北風と太陽

もうあれこれ書いても仕方がないのでサクッと本題から入りますが『髑髏城の七人 season風』を履修したのでその感想を書きにきました。実はですね、前回のブログを書いたあと、Twitterで「鳥は初心者向けではない」と言われているのを見かけまして、だよな〜〜????と思ったところにこれをね、見たんですよ。

だよな〜〜????

今回風見て思ったんですけどめちゃくちゃストーリーが頭に入ってくる……。いや鳥単体でもちゃんとストーリーは把握できてたんですけど、既に鳥で把握できてたからこその余裕かなとも思ったんですけど、それにしても前回理解が及ばなかった部分を掴めたことで、ストーリー解釈とか登場人物の解釈みたいなものにようやく本腰を入れて取り組めそうだなという糸口が見えてきたという実感があって。なるほど演出一つでここまで見やすさが変わるか……!とかなり感心しました。あと個人的には設定もこっちのほうがわかりやすかったです。

なんかもう既に無限に語りそうなのでサクッと細かい感想に入っていきましょう。今夜の私はサクッと推奨中です。まあ……、これ書いてるの深夜一時半だから……、記事は書きたいけどなるべく早く寝たいのよ……、明日も仕事だからね……。

などと書いていたのがもう5日も前のことです。色々(蛮幽鬼×プロメア )あって今更続きを書いています。笑えよ。

 

 

 

 

 

というわけで前回と同じく登場人物ごとに感想書いていきますね。

 

まずは捨之介。

ナチュラルボーンタラシ男〜夢女子絶対殺すマン〜みたいなムーブをキメるのでジワる

初手からクソみたいな感想でターンエンドしちゃったんですけど、阿部サダヲの捨之介が三枚目っぽさの残る爽やかな兄ちゃんって感じだったのに対し、松山ケンイチの捨之介はべらんめぇ口調で気持ちのいい性格ではあるんですけど、一方でめちゃくちゃ乙女ゲーに絶対こいつのルートあるやろって感じも持ち合わせていて。頭ぽんぽんした時の身長差とか完璧に乙女ゲーの文脈なんですよ。いちいち女心をくすぐる。でも甘くなりすぎないように崩してもくる。いい具合に外してきてるので、女を口説くその言葉に嫌味がない。更に軽薄な印象を持たせつつもふつうに沙霧一筋であるという事実がね、もうね、乙女ゲーから来たのかお前はって感じなんですよ。絶対乙女ゲーから来ただろお前。

松山ケンイチ、決して誰もが認めるイケメン!という顔立ちをしてるわけじゃないんですけど、タッパがあるので見栄えが良いし、何より今回の捨之介の役があまりにも乙女ゲー仕様なせいでなんかすげーかっこいいんですよね。顔はカミナで中身は捨之介ってヤバくない……、めっちゃ最強の生物じゃん……みたいな感情でガロのこと見てましたからね8回目のプロメア 。どうしてくれるんだ。

あと今回の捨之介、殺陣の動きがぬるっぬる。正統派で綺麗な太刀筋じゃなくて、足技を織り交ぜた現代的なスタイルとでも言いましょうか。のらりくらりと攻撃をかわし、隙間を縫うように戦うスタイルで。確かに捨之介の役柄的には超絶技巧の剣技よりもこういう「無頼の男の我流剣道」みたいなもののほうが似合うんですよね。なるほどこれはキャラ解釈に合った動き〜〜と思ってキャッキャしてました。そんな彼の殺陣シーンで一番好きなのはやっぱ切るたびに研ぐ突くたびに打ち直すを文字通り丁寧に実践したシーンですね。やってることも発想もきっちりクソバカなのにめちゃくちゃかっこいいから最高でした。

今回の捨之介は信長の影武者だったという設定でしたが、さっきも言ったんですけどこっちのほうが私的には見やすかったです。特に蘭兵衛の闇堕ちシーンと髑髏城突入後のストーリー展開はすんなり入ってきた気がします。前者は信長と同じ顔に迫られればそりゃあ心も揺らぐよな……、って感じですし、天魔王が捨之介を自分の身代わりにしようとした行為に説得力が増しますし。あと贋鉄斎のセリフにも似たようなものがあったんですけど、影武者に命を守られた沙霧と、影武者として生きてきた捨之介という立場の二人が惹かれ合う対比がなかなか効いててよかったよな〜という印象です。あと松山ケンイチ、目の演技がインパクトあるので、特に天魔王として目を見開いた時と、沙霧に微笑む時の目の印象が全然違ってて、そこもなるほどなぁ〜〜みたいな気持ちになりました。

なんていうか、そういう設定的なかっこよさも全部含めて女性向けの味付けというか。阿部サダヲの捨之介が青年漫画の主人公なら、松山ケンイチの捨之介はオ◯メイト作品に出てくる攻略キャラってところでしょうか。あ、あと「浮世の義理も昔の縁も三途の川に捨之介!」なんですけど、鳥髑髏は過去はもう捨てた、関係ないと自分に言い聞かせてるって感じだったんですけど、風髑髏のこのセリフは自分は過去を捨てられたと錯覚しているって感じに聴こえて、同じセリフもニュアンス全然違うな〜〜!って思いました。そうなんだよな〜〜!鳥は「お前全然捨てられてへんやんけ!」みたいになってこう、生乾き感あるんですけどこっちは「お?捨てられてるか?」みたいな気持ちあるんですよ、捨てられてねーんだけど。

あと普通にキルラキルで四天王を見た時の感情に苛まれましたね。方向性がガロじゃん!!!!すごい知ってる概念、めっちゃ知ってる概念だこれ!!!!って……。なっちゃったよね……。

 

 

次が沙霧なんですけど、まずはボーイッシュで可愛かったです。好きです。鳥よりも更に跳ねっ返りというか、パワフルさが強まってて良かったです。なんていうか生きることに対する貪欲さが見えて、絶対に生きて生き抜いてやる!という逞しさが全面に出てて。感情表現が力強くて可愛かったです。可愛かった……、なんかもう全部かわいい……。

捨之介を全身で信頼してる感じがして、単なる恋愛感情ではなくて、まず前提として背中を預けられる相棒としての存在感があったのがグッときました。あと錯乱していた捨之介を目覚めさせるためだけに身一つで飛び出してくところめっちゃ好き。天魔王と勘違いして切りかかって来た沙霧の刃を自分の体で受け止めながら笑った捨之介の流れを踏まえてのこのシーン大好き。っていうかそもそも脇腹刺されても気にすんなって笑ってる捨之介の包容力なに?ってなるし、その捨之介を心から信じた行動をとる沙霧めっちゃ好きなんだけど推せるんだけどねえ、かわいい、この二人すごいずるい。

そんな唯一無二の相棒感を見せつけられてからの捨之介といい感じになる時ね、これね、この二人めちゃくちゃ可愛いんだよな、可愛いんだよ。さっきも言ったんですけど、小柄なので捨之介との身長差がン゛っっっっっ!!!!って感じで……。あーこれは可愛いですわーー!!!!ってマジギレしました。可愛い。なんていうか今回の捨之介と沙霧はガロとアイナに近い印象ですね。恋愛感情も確かにあるんですけど、それ以前に一人の仲間として信頼してて、一人の友人として仲がいいっていう感じがあって……。可愛かったです。なんかこう、歳をとって二人とも老いて、それでもずっと笑って暮らしてくれそうな雰囲気あってめっちゃ良いんですよね……。あと沙霧もややアクロバティックに足技を使う場面があって、そこが捨之介の戦い方に共通していてなるほどね?と思ったり。そういうところも相性いいんですよね〜〜。二人とも幸せになってくれ。

最初にもちょこっと書いたんですけど、今回のほうがきちんとストーリー頭に入ってきた分理解も深くて前回よりも印象を言語化出来ているところがポイントです。まあ……、ほとんどこの二人可愛いなしか言ってませんけどね!!!!

 

で、蘭兵衛の話をします。

向井蘭兵衛、めっちゃV系バンドマン

眉毛ないし。アイメイク濃いし。あの鎧だし。なんていうかメンヘラに愛されてそうな一部の人の性癖を確実に刺し貫いてくる見た目でウフフってなりました。鳥の匂い立つような色気と圧倒的な美しさで殴りつけてくる蘭兵衛とは違い、どちらかというと地に足ついてるというか現実みがあるというか。早乙女蘭兵衛をミケランジェロの絵画だとしたら向井蘭兵衛は雑誌巻頭グラビアというところでしょうか。鳥と風でベクトルが全く違う雰囲気でした。現実的で生身の肉体を感じました。

捨之介の話をしているときにも書いたんですが、今回は天魔王が信長の影武者だったという設定もあり、例の闇堕ちシーンで天魔王に口説き落とされながら顔を凝視して目線が逸らせなくなっているところが凄く説得力があって良かったです。信長と同じ顔に、かつて信長が夢見たものを共に作り上げようと囁かれたらいとも容易く飲み込まれるというか。鳥の時は死の間際でさえも己の身を案じていた信長の思いを聞かされ、そこから揺らいでいくので最後の最後まで悔しさがどこかに馴染んでいたような気がするんですよ。ただ今回はどちらかというと、なんだろう、畏怖と愛情が混じり合ったような表情で天魔王を見つめていたような気がして。あの目の奥には確かにかつての主君を愛する感情が間違いなく滲んでいたよなあとか思うわけです。

っていうか私このシーンで言いたいことあるんですけどあの……、口移し、恒例行事なんですね……。そっかあ……。なんていうか、鳥の演出が尖ってるのは初見の私でもわかったので、だからこそあの演出かなって思ったらまさかの恒常。全然関係ないんですけど、リオくんって凄いですよね。炎を口移しされても闇堕ちしないんだもの。村焼かないし。むしろ焼かれる側なんだよな。そういえば無界の郷ってバーニッシュのあの村みたいじゃないですか?行く場所を失った者たちが築き上げた理想郷っていうところとか似てますよね……。あと荒武者隊が極楽太夫を守るシーン、あれリオくんがお前たちィィィ!!!!するシーンを思い出しちゃって。実際そのシーン見たらなんかもう込み上げてくるものが止まらなくてですね。誰かの命を引き換えに自分が生き延びてしまう辛さと痛みを味わうシーンって点で非常に似てますよね。メイゲラちゃんは死にませんが。

あとさっきから思ったんですけど、浮世離れした鳥とは違って、風のほうが全体的に現実的、現代的なテイストが強い気がしますね〜。肌感覚で適当なこと言うんですけど、鳥と比べるとかなり正統派に思える風ですけど、風は風で髑髏城の中ではわりと特異な方じゃないかな〜って思ってたりもします。マジで現代的な雰囲気が強いというか、うまく言えないんですけどちょっと違うなっていう気がします。

 

で、今回の天魔王なんですけど!二役!再三言ってるんですけど私はこっちの設定の方が見やすい!となりました。特にまだ蘭兵衛まわりをうまく咀嚼できていないので、今回のようにわかりやすく心を揺さぶられる理由が明示されていたほうが頭に入ってきやすかったです。再三言ってますけど同じ顔に迫られたらそりゃあね……。

にしてもビジュアルがまんま信長でびっくりしました。いや……、前回が何かの間違いみたいなビジュアルした天魔王だったので……。あまりにも落ち着いた信長すぎて逆にびっくりしたというか……。まあ影武者設定なんである意味当然といえば当然なんですけども……。にしても松山ケンイチ信長スタイルめっちゃ似合うな……。

そんな天魔王ですけど、落ち着きがあったりビジュアルが全然違ったり、とにかく鳥と風で全く別個のアプローチされてたのでやっぱりね、とニヤニヤしました。やっぱりね、そうだよね、振れ幅を一番大きく作れるよね、この役は。なんていうか鳥の天魔王は好きな子を振り向かせたくて意地悪する小学生男児と形容したとおり、とにかく自分という存在を認識して欲しいという子供みたいな欲求が透けて見えたんですが、今回の天魔王はヒーローごっこをする小学生男児って感じがしまして。自分が世界が信長になることで悦に浸るような、それこそコスプレして喜んでるような。根本的な自己肯定には何ら作用しない虚しい遊びを繰り返しているとでも言えばいいんでしょうか。妙な空虚さを感じました。成り代わり願望というか、偽物である自分の否定というか……。

うーん、やっぱりまだなんかうまく咀嚼できてませんね。自分の中にすとんと落ちてこない。

 

 

というわけで箸休めに贋鉄斎の話でもするんですが、まあ知ってた。こうなるよね。だよね!

前回が帯電体質だったからね!今回も切っても死なねえ体質ってくらいね!驚かないです!蕎麦職人だったけど!蕎麦職人だしおそらくおきまりのセリフであろう「切るたびに研ぐ突くたびに打ち直す」をマジで実践したところね、ほんとすき。2回目ですね。めっちゃバカなのに普通に見せ場で好き。蕎麦職人すげーや。あと登場した時スケボーの亜種みたいなやつに乗ってて笑いました。現代的とか現実的みたいなことぽろぽろ書いてますけど贋鉄斎周辺だけテクノロジーおかしすぎて笑うむり。あと男の子大好きすぎて若干ヤバいおじさんでしたね。兵庫に色が白いね……みたいなこと言っててゲラゲラ笑った。確かにな。

てかこういうぶっ壊れたことしてても、まあね!贋鉄斎だもんね!みたいな許される感ありますね。心強い。約束されし変態というか。とっても安心。でしょうね!の一言で済んじゃう。相変わらず一体どこまでがアドリブなのかさっぱりわからない感じだったんですけど、捨之介の名前いじりでLとか平……とか言っててクソほど笑いました。全然関係ないんですけど私は大河ドラマ平清盛』の悪左府ツイートで人生で初めてバズることを体験した女です。これ見るまで綺麗に忘れてました。

 

はい、楽しい箸休めでしたね。

そういえば今回の家康生瀬さんでしたけどこれまたそうでしょうね〜〜!!!ってキャスティングだったと思います。わかる、家康っぽい。なんか今回演技力で殴りつけてくるというより、全体的にわかるわ〜〜!この役はこの人だわ〜〜!って感じでしたね。華やかさではもう間違いなく鳥の勝ちなんですけど、手堅く面白さも残しつつまとめてるのが風だな〜って。

同じストーリーなのにこうも印象が違うかと思うと、改めてキャスティングや演出の重要性を痛感する次第です。いやほんと、同じ枠組みがここまで違った形に化けるってほんとにすごいよ。

鳥の時に他と比較しないと正確な判断は下せないと書きましたが、確かに風を見る前と見た後では鳥の捉え方が変わっててそこもなるほどな〜と自分で感心しているポイントでもあります。風は確かにわかりやすくて攻守のバランスがいいというか、適度にユルさを残しつつも鳥ほどスラップスティックにもなっておらず、かなり見やすいなーと思ったので。見てないので適当なことを言いますけど、花が守りで鳥が攻め、風はその中間って感じじゃないかなと。上弦と下弦に関しては、演出内容ではなくキャスティングで冒険をしているので他とはちょっとそもそもの土台が違うかな。とりあえず今触れているseasonのものについてのコメントばっかりですけど、これら以前の作品に関しても触れたいので困っちゃいますね。ワカドクロとかワカドクロとかワカドクロとかな!!!!鳥全体の評価は相変わらず保留で風が一歩リード状態の中、森山未來の天魔王と早乙女太一の無界屋蘭兵衛に関してはもはや他の追随を許さないのではレベルで私の中にぶっ刺さっているので……、違う味付けを知りたくて……。

や、もういいから全部見せて欲しい……、全部見てからマイフェイバリット髑髏城を決めさせて欲しい……。今の私に何一つを選ぶことは……、できない……。

また苦悩し始めたのでここら辺で終わろうと思います。

あ、そういえば蛮幽鬼×プロメア行きます。

以上です。