こんぶはコンブ科の海藻の総称

こんにちは、ぱふぇです。

今から書くのはビルダーズ2の感想です。

めちゃくちゃ今更〜〜!!!!(※メインシナリオは昨年3月末にとっくにクリア済み)

ほんと最高だったのでいつかちゃんと感想書きたいなとか思ってたので、もういい加減に形にしました。前回このブログでビルダーズ2の話をしたのが監獄の警備が甘い懲罰並にガバガバとか言ってたクソみたいな記事だったんですが、あれ以降の展開あまりにもよくてアホみたいな感想を書いた自分を殴り倒したくなりました。

 

 

というわけでビルダーズ2を随分昔にクリアしたんですが、なんかもう設定がめちゃくちゃ刺さりすぎてそこからもう大変にしんどかったし、あと私はドラクエ2がとにかく懐かしいタイプなので、もうなんか色々と好きすぎてダメでした。

前回監獄からだったんですけど、せっかくなのでそれより前のモンゾーラやオッカムルの話もしたいんですよね。特にモンゾーラね、モンゾーラはもうなんか足踏み入れた段階で号泣しかけたからね……。ほら……、曲が……。

とりあえず前回の続きである監獄に関しては脱獄する直前でお礼参りをしたくらいしか面白い話はないので割愛します。ギロチンのドロップ率が低いと聞いて、ならギロチンは貰っておくか!と暴れた結果、監獄が大変無残な姿になりました。キャプとらなかったのが心残りです。

 

で、早速序盤の話からしていきたいんですけど、本作って主人公であるビルダーが魔物にとっ捕まってるところから始まるんですよね。ハーゴンとシドーが倒された2の世界で、ハーゴンの教えを守っているごく僅かな残党たちに捕まって船で運ばれてるという設定。

ビルダーズって1も2も私の中ではめちゃくちゃしっかり原作をリスペクトして作ってあるスピンオフという印象なんですけど、ドラクエって船が出てくるのは2からじゃないですか。だからビルダーズでも船が出るのは2からなんですよね。前作も今作も、ビルダーが生み出すオーバーテクノロジーすぎる乗り物はありますけど、その世界にデフォルトで備わってる(?)乗り物はちゃんと本家に準拠してる。そういう細かいところに真面目さを感じるんですよね。なんでこんな話をしているかというと、某ダースベイダーとか出てくる映画シリーズの最新作三部作でその辺全部ないがしろにしたものを見せられた故です。あれが酷すぎて、余計にビルダーズの真面目さとかリスペクトっぷりをひしひしと感じてますからね、今。どういうことだよ。いやほんとにな、ローグワンは最高だったのにな。ハンソロも良かったのにな。カノンがひでーよ……。今度この話もしよ……。

紆余曲折あって難破した船がからっぽ島に辿り着き、そこで相棒となるシドーくん、同じく島の中心人物になるルルちゃんの2人と共に物づくりを始めるわけなんですけど、ここも1との違いなんですよね。っていうのもビルダーズ1ってビルダーに仲間がいないんですよ。共に戦ってくれる誰かも、帰りを待っていてくれる誰かもいない。行く先々で出会う人々はいても、最後には別れて旅立たなければいけない。やればわかるんですけどめっちゃ孤独なんですよ。だけど、その孤独こそが1勇者の旅の孤独さをオマージュした部分でもあるんですよね。

一方こちらの2では仲間がいる。心強いったらないですよ。隣で戦ってくれる誰かがいること、帰りを待っていてくれる誰かがいること。そういう心強さが、仲間と共に旅できた2に似ていると私は思うんです。あとですね、キャラクター造形もローレシアサマルトリアムーンブルクの3人を意識してるんだろうなーって思うんです。主人公のビルダーがサマルトリア、シドーくんがローレシア、ルルちゃんがムーンブルクかなと。のほほんとしたにこにこ顔のおっとりマイペースなビルダーは、物作りはできるけれど決して腕っ節が強いわけではない。そういうところにサマルトリアっぽさを感じるんですよ。で、シドーくんは名前からして色々バレバレなんで割愛しますけど、彼唯一物作りができないんですよ。そういうところがMP0で破壊神を破壊した男っぽさがね、ありますよね。物作りパワーを略したらMPだしな。何言ってるのかわかんねーや。ルルちゃんは物作りも多少できて、かつ女の子なので必然的にムーンブルクです。まあ私ビルダーは女の子でプレイしたんですけど、男の子にしたら紅一点になるのでね。

なんか取り留めなくなってきたのでさっさとモンゾーラから中身の話をしていきたいんですが、とりあえずさすらいのテーマが流れたので神でした。6ヤクザなので……。滅多に使ってもらえない曲だから……。まあテリワンでは聞けるけど……。

モンゾーラは前作のリムルダールのような汚染された土地というイメージでした。作物が実る豊かな島だったのに、作物を枯らすくさり風が吹くために荒れ果てた土地になっていて、そんなモンゾーラに緑を取り戻したいと奔走するチャコちゃんに出会うところから始まります。

ストーリーも好きなんですが、前作で私を悩ませた食料問題を全て解決してくれる島だったのでもうそれだけで神でした。ここ、農業の島なので必然的に農耕の概念が生まれるんですよ。神だった。タネを植えれば作物が実って食べ物が得られる。とても素晴らしい……。狩猟採集生活を営んでいた人類が農業を発見したことでその数を安定させられた理由がよくわかる。農耕は偉大な発見だよ。

ここはやっぱりマギールさん無くしては語れないですよね。再三フォークダンスが流れるとその後の展開は大体鬱と言っているんですが、この作品特にその傾向がある。というかこれのせいでそんなことを言い出したところある。最初は破壊の教えを説く立場だった彼が、少しずつ歩み寄り物作りを許容し、自らも何かを作りたいと語った幸せな祭りの後、教団の総督ヒババンゴを説得しようと試みてあっけなく命を落とすわけですからね。

ある意味予想のできる展開だった部分はあるんですけど、実際見せられるとめっちゃつらいんですよ、とてもつらいんですよ。冷徹になろうとしてなりきれなくて、物作りへの興味を抑えられなかったチャーミングな物知りおじいちゃんみたいだっただけに。そしてこの辛さを味わったまま、ヒババンゴをぶちのめす直前までで終わる体験版。鬼か?何がなんでも買わせようという意思を感じる。

ただ、チャコちゃんが意志を継いで頑張ってくれるので、そこが救いだなとは思います。ほんといい師弟関係だった。だっただけにマジでショックだった……。

 

さてお次はオッカムル。金属加工技術を学べる島です。前作のマイラガライヤみたいな島。なんかシナリオもマイラガライヤみたいでした。一人の女を崇める筋肉たちの話なので。マイラガライヤといいオッカムルといい、わりとシナリオどうでもよくて強い武器作れたり兵器作れたりするので、物作りが一番楽しいパートだなあという印象です。

酒場とかプールとか、レジャー目的な建物をいっぱい作って派手なものが多かったので、建築するのがすごく楽しかったですね。あとシドーくんが筋肉に毒されて筋肉儀式してたので最高に好きでした。あと、シドーくんが性知識皆無だったので更に好きでした。バニーを見て興奮するあらくれどもを尻目に「ツノが強そうだな!」とか言っちゃうの可愛い以外の何物でもねえんだわ。はーかわいい。

ここも神だなと思ったんですが、何故かと申しますとあらくれが分け前と称して鉱石をくれるんですよ。前作やるとわかるんですけど、いい武器作るのに鉱石が絶対必要で、大量に確保するのはちょ〜〜めんどくさかったんですよ。それを鉱山で働くあらくれたちが勝手にやってくれんの。神サービスすぎる……。

あとここのあらくれは惚れた女のペロを幸せにすることしか考えてないんですが、時々すげえすけべ心を出してくるのが最高に愉快でした。覗きのためスケスケの部屋を作らされたし。腹いせにあらくれの部屋全てをスケスケにしましたからね。要求がだんだん図々しくなってくるんですけど、後半になると豪華な部屋を所望されてちょっとイラッとしたので、とりあえず腹いせに超絶豪華なトイレ部屋を作りました。楽しかったです。

ここはゴルドンが鍵でしたね。マギールさんに引き続き死人(死人ではない気もするけども)が出たので、やべーな意外と本気で暗い話だなこれと思ってしまい、あんまり意識しないようにしていたシドーくんの結末を意識してしまったのがここでした。マギールさんといいゴルドンといい、わりと容赦なく退場させたんで、ああこれシドーくんもどうなるかわからんなあと……。明らかにラスボスの名前で、人間離れした強さで、さらに言うと物作りが一切できない。なんか謎の声も聞こえてるし、一筋縄ではいかないだろなと。思ってました。

 

そしたらあの監獄に連れてかれたわけですよ。

スライハルトやモンばあのように愉快な面々と出会い、そして別れて脱獄したわけですけどね、ようやく出られた最高!さて次はどこかな!って思ったらね

次の目的地はムーンブルク

って言われた時の気持ち、わかります?

それまで2スピンオフなのに、全く2にゆかりのない場所ばかりに行ってたんですよ。だからここはアレフガルドではないのかなと思ってたら突如ムーンブルクとか言われて。あっこれなんかヤバいぞと思った。思ったら案の定でした。

ムーンブルクも〜〜二度とやりたくない

いや、もう胃が痛かったですよ。終わらない戦いで絶望した人々の前に、創造の力を持つビルダーと圧倒的戦力を持つシドーくんが現れてさ、戦いの運命を終わらせてくれるかもと希望を抱かせたが故のあの……、あのどうしようもない……、ほんと……。

まずシドーくんとの仲違いがキツくてキツくて……。歩み寄りたいのにみんなにそれは後にしてこっちを助けてくれって言われて、実際教団との戦いもスパイ問題も放置できるものじゃなくて……。そうしてゆっくり話し合える時間も取れないまま、シドーくんはどんどん精神揺さぶりかけられて不安定になり……。シドーくんと!話したら!すぐ!すぐ言われたもの作るからさあ!10分でいいから時間をくれ!?ってなりました。なったのにさ、スパイをぶち込む牢屋作れって言われてさ、嫌々作ったらそこにシドーくんぶち込むために作らされてたやつだったとか最悪すぎて泣いた。マジで本当に気が狂いそうだった。

初めて作ってあげた武器を大事に持っていると言ってくれたシドーくんと仲違いしてるだけで辛いのに。脱獄成功を祝うパーティーで、ルルちゃんやビルダーと過ごす時間は楽しいけれど、いつまでこうやって過ごせるだろうかと急に不安になってたシドーくんがさ、度重なるすれ違いで絶望して離れてくのを見てるしかないんですよ、話しかける機会がないから。苦しすぎる。

しかも、この時のビルダーとシドーくんのようにお互いのことを上手く理解しあえずにすれ違い、結果的に大事な友人を失ってしまったアネッサとか見せられてるんですよこっちは。リックともっと話せていたら、彼が壊れていく前に止められたのかなって悔いた夜が絶対あったでしょアネッサ……、自分たちと同じようになってほしくないからビルダーの背中を押したところあるでしょ……、もうほんとさあ……。

あとここにきてこの世界が虚構であることを突きつけられてしまったのでもうダメでした。ここではっきりとドラクエスピンオフだなって突きつけられたところあるし、ドラクエ2ドラクエ6を履修していたが故に最悪の結末を想像して発狂した。

ドラクエ6もこの作品と同じように夢の世界と現実の世界の両者があってそこを行き来できるじゃないですか。加えて主人公は現実の世界の人間だけど、バーバラだけは夢の世界の人間らつまり現実世界の肉体は滅ぼされているっていう設定。で、そんな世界とメンバー構成でラスボスを倒して世界の均衡を取り戻すと世界は元の通り分断されてしまい、現実世界の人間である主人公は夢の世界を知覚できなくなり、目の前でバーバラが消えちゃうから…………。

それでドラクエ2の話をするんですが、ロンダルキアに着くとローレシアの幻を見せられるじゃないですか。この世界、あのローレシアの幻なんですよ。あの時ハーゴンがロトの子孫たちを惑わせるために生み出した幻の世界に、咄嗟にシドーと自分を逃したのがことの始まりだったんですよ。破壊神シドーが倒された後、それでも世界の破壊を願ったハーゴンが、自らの作り出した幻の世界に、肉体を失い力を失ったシドーを連れてきて、破壊神としての復活の日を待ち構えていたのがこのビルダーズ2っていう作品なんですね。

つまり、今こうしてシドーくんと過ごしている世界は、6で言うところの夢の世界すなわち幻の大地で、シドーくんは現実世界にあるはずの肉体を失ったバーバラのポジションってことになるんですよ。

シドーくん、どう考えても消えるのでは!?!?

消えるじゃん……?いやだって……、こんなの役満すぎません……?消えるためのお膳立てがされすぎている……。

しかもムーンブルクハーゴンからの精神攻撃を受け続け、破壊神としての力がどんどん高まり制御し難くなっているシドーくんの姿を見せられてるんですよ。消える……、まってシドーくんと別れたくない無理……。

と、ムーンブルクで泣き叫んでいたところに流れたBGMがフォークダンスだったわけですよ。モンゾーラの祭りで流れたあの曲です。直後にマギールさんが帰らぬ人となったイベントが起こるあの、あの時の曲ですよ。ちなみに11でもこの曲流れるんですけど、やっぱり直後にロミアが泡になるイベントが起こるし、本家6くんでもバーバラとお別れするシーンでも流れてるんでね、もうだめ。フラグしかねえ。

ビルダーがニコリとも笑わなくなるしさあ……

いつもニコニコ顔だったビルダーがここから全く笑わなくなるんすよ……、つらい……、笑って……、だめだよそんな……。

のほほんとしててぼんやりおっとりマイペース、いつも笑っててみんなにそのことを突っ込まれてたビルダーが、真顔でずっとものを作ってんの。淡々とした表情で兵器をね、作ってんの。辛すぎる。めちゃくちゃだよ……。

ムーンブルク、まじでキッツイです。シナリオも辛いし、何故ここにきて突然実在(?)する地名が出てきたか、その意味を痛いほど痛感させられるのがヤバい。ムーンブルクは2における破壊の象徴であり、かつハーゴンが幻の世界を置いた土地であるロンダルキアにも近いという地理的条件を満たしてるんですよね。だから採用された。それが一気にここでわかる。出来が良すぎて頭おかしくなりそう。

本当に二度とやりたくないと思うくらい辛いんですけど、めちゃくちゃしっかり2をリスペクトして作ってるのが発覚するので神なんですよね……。モンゾーラやからっぽ島でやたらに6のBGMが採用されていたのは、ひとえにここが幻の大地だからっていう種明かしまでされてしまって気が狂いそうになる……。なんで好きなナンバリングと好きなナンバリングを混ぜたものを最高の形でご提供されてるのかわからなくなる……。

しかもここの何が好きって城の形が2で出たそれと同じってところですよ。ムーンペタちゃんとあるし。あとなによりも好きなのが美しいロンダルキアですね。ハーゴンに都合のいいように生み出された幻の世界という設定のせいか、この世界ではムーンブルクロンダルキアの気候が真逆になってるんですよ。だからムーンブルクは極寒の地、常に雪が降りすさぶ厳しい土地なんです。一方、ロンダルキアは緑に囲まれ花々が咲き乱れ清らかな水をたたえた湖が点在している恐ろしく美しい場所なんです。何もかもが嘘で塗り固められた場所だからなんですかね。あまりにも美しくて絶句します。花の咲き乱れる穏やかな気候のロンダルキア、そこに佇むボロボロになった幻のローレシア城。そこには何一つ真実がない。雪が降り荒ぶあの気候が正しいロンダルキアということは、この作品でのロンダルキアのような美しい景色が滅ぼされる前のムーンブルクだったってことでしょうか。そうか……、そうなんだな……。ちなみに今FC版2もやってるんですけど、やっぱりムーンブルク二度とやりたくねえなって感じです。マンドリルに撲殺されるので。サマルの棺桶を引きずって歩くムーンペタまでの道のりが遠い遠い。まあ大体デスルーラです。

 

さてそんなムーンブルクが終わり、なんとかシドーくんと共にからっぽ島に戻ってきたらシドーくん連れ去られちゃうんですよ、ハーゴンに。もうふざけんなと。こちとらボロボロ情緒やぞと。そこぬシドーくんが破壊天体とかいうよくわからんところに連れてかれたんやぞと。いい加減にしろと。

だけど、大事な友達を取り戻したくて、帰って来られる保証さえない場所に単身乗り込んでいくんですよビルダーは。ものは作れても戦える力なんて持たない職業なんですよ、ビルダーって。自分に戦える力はないと知ってても、それでも死地に赴くんです。命をかけて。ただ、自分の物作りを誰より喜んでくれた友人を取り戻すためだけに。ほんとに泣けてしまう。

そうして向かった破壊天体シドー、空は濁り大地は赤く染まり、虚無の空間から飛び出してくる破壊神の腕が世界をまさに壊そうとしているというとんでもない場所なんですよ。愛すべき人たちに出会えた思い出の場所を、人だった頃の自我を無くし神に成り果てたシドー自ら壊してるんですよ。もうだめだ辛すぎて発狂する。あちこち無差別に壊しまくってるのに、初めてシドーくんが作ってもらったもの「こんぼう」のある場所だけはどうしても壊せなかったところまで含めてめちゃ泣いた。

こんな絶望的な場所なのにフィールドBGMがおおぞらをとぶなのがマジでやばい。この世の終わりの荒廃した景色にあの綺麗な旋律が流れてくるから脳がバグる。こう書くと全然合ってないように見えるけどめっちゃ合ってるからすごい。

あとですね、ここにいた破壊を信仰していた魔物たちがみんなマジで最高なんですよ……。イケてる骨のキッシムさん、メタい発言の飛び出すメタルスライムのメタッツ、ちょっぴり生意気なグレムリンのグレムン、そしておんぼろキラーマシーンのキラーGと、もうなんかみんなめちゃくちゃ愛おしくて……、みんなすごい好きで……。

みんな出会って間もないのに全力で信じてくれて、自分たちの信じてきた神の手で世界が壊されようとしていて、その神が友達だと聞かされて、それでも「また会えるといいね」「君の友達ならきっと素敵な人なんだろうなあ」と言ってくれるの、そう言って手を貸してくれるの、あまりにも優しすぎるんですよ。

確かにみんなシドーを神として崇めてたいわば信者ですよ。だけど、自分たちの居場所であるこの世界が今まさに崩壊している原因だってことをみんなが知っていて、破壊をおかしいと思うようになっていて、それでも誰もシドーくんを悪し様に言わない。破壊神の友人であると言っても驚きこそすれ、疑って否定なんてしない。直前のムーンブルクが人間の嫌な部分を見ることが多かった分、破壊天体の魔物たちのまっすぐさはほんとにグっときました。誰も疑ってこない。みんな素直に信じて、素直に背中を押してくれるんです。いや、ほんとマジでみんな優しすぎるんですよ……、いい子たちなんですよ……。最初に出会った骨の船長と再会できたし……。あれめちゃくちゃ嬉しかったんですよね。序盤から明らかにいい骨っぷりを見せてくれた船長、やっぱりいい骨だったじゃないですか……。

そんなみんながビルダーを応援してくれて、必死の思いで作り上げた超スーパーカー(名前が最高にダサい)に乗り、シドーとハーゴンの待つ城へ飛び立つビルダーは最高に熱い。あとBGMが敢然と立ち向かうで笑った。またか。

それでですね、紆余曲折ありながらも破壊神シドーを倒すんですよ。非戦闘員のビルダーがなんで倒せたかって、それは完全に破壊神として目覚めてなかったからなんです。力が蘇ってなかった。まだ、シドーくんとしての自我は残ってたんですよ。

物作りが成功するたび、ビルダーとシドーくんはいつもハイタッチしてたんです。何かあるたびに、嬉しそうに二人でハイタッチしてた。それを思い出したのかな、あの破壊神シドーが倒れ伏しながらも一本の腕を持ち上げるんです。まるでハイタッチするときのように。もうね、泣く。辛すぎる。そこにビルダーが触れてハイタッチするじゃないですか。したらね、シドーくん戻ってこれるんですよ。ずっと暗闇さまよってて帰ろうとしても帰り道わからなくなってたシドーくんが。

マジで泣きながらプレイした。ほんとにめっちゃ泣いた。

もうなんか良さを語りたいのによかったね……、もうほんと……、はあ……。みたいなことしか言えないので、とりあえず自分でやってください。

 

で、ここからちょっと私の主観なんですけど、この作品って2を題材にしつつも6をめちゃくちゃオマージュしてると思うんです。2の世界観とキャラクターをベースに6の世界構造にまつわるストーリーを作りました!みたいなところがあるので。だからこそ結末というか、話の終わらせ方にはある種の6はこうなって欲しかったという理想が見えるような気がするなあというお話をします。

この作品世界って、結局ハーゴンが産んだ幻だったので、そのハーゴンが死んだら世界も一緒に消えるんですよね。あとこれ触れてなかったんですけど、この作品の主人公であるビルダーって正史世界の人間なんです。ドラクエ2の世界から来た人。つまり、幻の大地の住人ではないんです。6でいう下の世界の人。つまり、この世界が消えても存在は消えない人なんですよ。力の衰えたハーゴン教団の船に拉致されたビルダーってところから話が始まるのに、モンゾーラ以降やたら教団が力を持っている描写が続く矛盾はそういうことなんですよね。破壊神のいない時代に生まれたはずのビルダーが、破壊神その人に出会ってしまったのは、船が転覆した時に、乗員だったビルダーやルルちゃん、船長が運悪く幻の世界に飛ばされてしまったからなんです。

つまり何が言いたいかというと、ビルダーとシドーくんは世界の消滅により二度と会えなくなる関係性だったってところなんです。シドーくんを救えても、シドーくんは世界ごと消えてしまう可能性があったんですよ。だって本当は存在してはならない存在だったから。現実世界の肉体もなく、切り離された精神のうち、未熟で不要として捨てられた部分で構成されてるのが今のシドーくんなわけなので。まあ破壊を司るとはいえ神なのでそう簡単に完全消滅はしないのかもしれないんですが、シドーという少年の存在をビルダーが知覚できなくなる可能性は否めなかった。

この、世界とともにその存在を知覚できなくなるってところがめちゃくちゃ幻の大地とバーバラの枠組みなんですよ。現実世界に肉体はなく、今現在の姿は肉体から切り離された精神が形を持っている。今は互いに互いを知覚しているものの、本来主人公とは存在している世界自体が別。そういう残酷極まりない関係性なんですよシドーくんとビルダーって。

てかほかの出会った人々なんてもっと残酷ですからね。個性的なキャラがいっぱい出たけど、あれ全員が幻ってことですもん。もちろん人格があって一人の人間として生きているけれど、本質的にはみんな幻。もちろん実体なんてない。だから世界と一緒に消えしまう存在だった。6の上の世界の住人全てにも同じことが言えるんで、とにかく世界の構造と人の存在がめちゃめちゃ6なんですよ、このビルダーズ2とかいう作品。

だけど決定的に違うのが、幻の世界を現実に存在する世界へ再編成したってところなんですよね。ビルダーとシドーくんが二人で世界を創造したんですよ。だからこの世界は消えなかった。6の主人公とバーバラのようになるはずだった未来を、ビルダーとシドーくんは創造と破壊の力で書き換えちゃってるんですよ。シドーくんは破壊神だけど、神は神なので世界を作り出せるくらいの力は持っているだろうし、彼の隣には幸いなことに物を作る力に長けた人間がいて、表裏一体だった破壊と創造が手を取ればもう無敵ですよね。

これ、6みたいになりそうだった結末を書き換えてる作品なんですよ。めちゃくちゃ壮大な別れの結末に終わった6とは真逆のお話。しかも何がすごいってクリア後にシドーくんに話しかけると今なら帰ろうと思えば元いた世界に帰れるって教えてくれるんですよ。自由意志で行き来できる。6の結末知ってるオタクは全員思うでしょう。すげえなと。そして思うでしょう、6もこういう終わりかただったらバーバラともずっと一緒にいられたのにと。そう、ある意味これは6のオタクが一度は考えたことのあるであろう幸せな世界の結末なんですよ。私は6のあの完全な形で幸せになれていない終わりかたが何より愛おしいのであれはあのままでいいと思ってるんですが、それでももし救われるとしたらと考えてしまうことはあるんですよ。その救いは多分こういう形だよなってプレイして思った。幻の大地は消えないし、バーバラも肉体を持つ一人の人間として存在し続けるし、主人公はそんなバーバラを知覚できる。そういう終わりかた。キャラも違えば世界も違うので大変間接的にではあるけれど、ある意味6のイフを見せられたようなお気持ちなんですよね私は。クリアした後マジでびびった。

これは私の主観で見た解釈でしかないんで、まあそこまで考えて作っちゃいないでしょう。それはわかる。それはわかるがここまで6の曲を使われると深読みしたくなっちゃう。6ヤクザだから。

あと、単なる物作りのお話かと思いきや、シドーくんが破壊神だったが故に、破壊と創造が手を取り世界を生み出したという創世神話の話に決着がついてるの、めちゃくちゃヤバくないですか。神話だよ。私が何時間もかけて追ってきたストーリーは全て神話。イザナギイザナミが、互いの体の余った部分と足りない部分を結合させたら国ができました!と同じ部類のお話だったということになる。そう考えると死ぬほど壮大な物語ですよね。まあそう考えるのもおそらく単なる深読みですけど。でも世界を創るのはマジで神話だよ、創世神話だよ。

そういえばドラクエって結構同じ時空に複数の世界が存在しがちですけど、案外こういう感じで破壊神とビルダーが世界を作ってるだけかもしれねえなとか思いました。深読み大好きマンが深読み放棄した雑な思考を披露するやつ。

ほら3とかそうじゃないですか。上下に世界がある。てか穴から落ちたら別の世界ってどういう世界構造なんだろうね。上下に重なってるというより、ギアガの大穴が平行世界へのゲートとして機能してると考えたほうが自然なのかな。あと6は言わずもがなだし、8も光と闇の世界があるよね。7と11は時間の移動メインだから性質は違うけど、特に11は世界自体が分裂して多重構造になってる可能性があるよね。イレブンのいた時間は収束でいいとして、ローシュとセニカが再会したあれは別世界じゃないと色々説明つかない。

あ、そうかセニカと再会して結末が変わったローシュがニズゼルファを倒した世界線がそのまま3の上の世界に、イレブンがニズゼルファを倒しロトの称号を授かった11本編の世界線が3の下世界すなわちアレフガルドに分離してると考えれば、11の問題も3の疑問も片付くよな……。アレフガルドに光をもたらした勇者の称号としてロトを授かっているので、ロトの名が受け継がれているのは下の世界だけ、上の世界にロトの称号はないとすれば……。そういえば3のアレフガルドは闇の世界なので、8の闇の世界と何らかの……、ラーミアが……。あとりゅうおうが世界の半分をくれるって言ってたのは案外もう一つの平行世界だったのかも。まあ本当にそんなものをくれるわけがないのはビルダーズ1の様子からも明らかですが。早くクリアしろよ私。めちゃめちゃえげつないらしいから早くして……。

だいぶ話が逸れた。これ、そもそもローレシアの幻というごく小さな要素を極限まで膨らませて作ってあるのが凄すぎますよね。しかもラスボスが神であることを最大限に利用してる。プレイした人の大半が重要視しなかったであろう要素を、ここまで膨らませてここまで壮大な話に作り上げてるからすごい。まさしく2スピンオフでしか成り立たないですよこれ。散々6を感じといてなんですけど、この作品は2をベースにしなければ絶対に生まれ得なかったよなと思います。

というか、ビルダーズって1も2も相当シナリオ担当された方の力量が凄まじいなと思うんですけど、大変残念なことに四角から型月へ行ってしまわれたらしいので私としてはめっちゃくちゃ残念でなりません。

そういえば、一次創作と二次創作の優劣ってときたま話題になるじゃないですか。で、大体二次創作ってものは人の褌で相撲を取るようなもので褒められるべきものじゃないという論調で語られるじゃないですか。それは確かに間違っちゃいない。ただ、スピンオフ作品って企業が莫大な金をつぎ込んで作る壮大な二次創作じゃないですか。そういう場では、二次創作的な力が絶対必要じゃないですか。スピンオフは人の褌をうまく使って相撲で勝つことを公式に求められる場だと思うんです。だから二次創作の才能も、決して否定すべきではないんじゃないかなと思うことしきりです。

なんでこんな話を急にしたかというと、ビルダーズ2がめちゃくちゃ最高だったのは原作をきちんとしっかり理解してたからだって言いたかったのと、あとどっかの宇宙戦争シリーズ映画の最新三部作が大変気に入らなかったからです。エピソード8を許すな。

 

とりとめなくなってきたので、雑談して終わります。

からっぽ島に船長呼べるようになったからめっちゃ嬉しくて話しかけまくったよね。しかも話しかけるとこんぶ貰えるんですけど、船長が好物だからとせっせと集めてくれてるかと思うと泣いてしまいますね、ダメです。再会祝いにいつもこんぶをくれる船長愛おしいのに更に無限こんぶとか。好きだよ。

あとスライハルトなんですけど!!!!アネッサが彼を凝視する理由が「リックを思い出す」なのはちゃめちゃに無理じゃないですか!?!?!?アネッサやっぱりリックのこと今でも気にしてるのかと思うと苦しくて吐きそうだし、あと青い=リックとかいうクソみたいに短絡的な思考をしている事実が面白すぎてダメ!!!!!!!!なにそれ!!!!!!!!

一方モンばあが普通に半分人間のシルバーデビルが空に消えて行くのを見たとか言い出して精神がめためたになりました。突然のリック補完やめてくれ。

あとスライハルトで思い出したんですが、監獄島の魔物たちの名前、あれ自分で決められたんですよね、忘れてたんですけど。いやね、うちスライムおおきづちくさったしたいスラリン、ブラウン、スミスとかいうあからさまにデフォルトネームみたいな名前付けてたんですよ。くさったしたいは流石にマーカスって付けてやれよって思うんですけど、ぶっちゃけ監獄早く終わって欲しかったので、名前もなんか投げやりになりました。そういうわけでうちの3人はデフォルトネームトリオになってます。

とか書いたんですけど、まあ見事に自分の雑なネーミングを忘れておりまして。再会した時とかマジで完全に公式だと思ってたんですよね……。いやまあブラウンは厳密にはブラウニーの名前なのだが……。流石に気づいたので自分の愚かさだけを噛み締めています。

あと全然関係ないんですけど、スラもりでデフォルトネームのスラリンを使うと、教会にいるスライムから「面白みがないなあ」とdisられるのでよろしくお願いします。じゃあなんだ、スラぼうにすればええんか?あ、思ったんですけどスライハルトはスラぼうのほうが似てますよね。言動とか。今私の頭の中には破壊神を破壊した男の文字がばーんと浮かんでいます。またかよ。いいじゃん、2だから。

そういえば冒頭、シドーくんはローレシアの王子ポジションって書いたんですけど、シドーくんの人間性を見れば見るほどローレシアの王子こういうタイプだったのかなとか思ってしまって情緒がアレになります。ローレシア脳筋気味の俺様気質(シドーくんは「イヤでも畑を作らせてやる」とか言い出す)だったらどうしような……。対するサマルトリアはおっとり優しくて穏やかでいつもニコニコしてる楽観主義者……?うわなんだそれ……、好きじゃん……、絶対好きでしょこんなの……。

ビルダーがサマルトリアの王子ならこの話って、2に例えると「サマルトリアの王子一人でハーゴン倒してローレシアの王子を助けた」って感じだからね。シドーくんを単身助けに行ったのがどれだけ凄いことかと。

 

 

 

ビルダーズはスピンオフ作品の中でも群を抜いてシナリオのクオリティが高いので、ふつうにRPG的な目線で感想書いちゃったんですけど、マイクラ部分もしっかり独自の味付けしてるので楽しいです。キャラがそれぞれに役割を持っていて各々自由に生活してくれるので、彼らの生活を構築するような街づくりを考えたりできるのがいいんですよね。農地と居住地の動線をどう配置しようかとか、そういうこと考えながら作るのが楽しいタイプなので余計にハマったのかも。いつもの便乗商法って感じの印象は受けるんですけど、いつも通り独自の味付けを施して単なる二番煎じにはならないように工夫してるのですごいや。

ただまあ、自由にさせろって人たちは度々挟まれるお使い系のサブミッションが非常に邪魔くさいと思う。ストーリーがある作品に自由度は求めてない私をして、お使い系のサブミッションめんどくさって思わせたので。ドラクエは良くも悪くもライトユーザー向けにやさしく作るクセがあるので、そういう意味では自由度欲しい人にとってこれってひたすらきついでしょうね。

あとマイクラ的なことをしたい人にはシナリオが長すぎて邪魔になってるとは思うんですよ。シナリオあってもいいんですけど、バランスがよくないというか。例えばポケモンポケモンを育てることがメイン。ストーリーはさほど作り込んだ複雑なものにはしてないじゃないですか。なので、これもそういう配分にしてればもっとウケてた気がするんですよねぇ。そもそもドラクエのスピンオフは歴代メインはストーリー以外の部分に置かれてたように思うんですけど、ビルダーズだけはがっつりストーリーにも力を入れてるので、そこが魅力でもあり欠点にもなってるんじゃないかなあ……。

ドラクエの派生作品にストーリー性を期待しているファンが少ないっていうのも一つの要因としてあるのかなという気はします。そもそもシリーズのファンの中にプレイしてる人が少ない印象あるし。やってる人はやってるけど、やってない人は全然やってない。かく言う私も不思議のダンジョンシリーズは全くやってないし、モンスターズもテリワン以外は触ったことがない。スラもりとヒーローズは1だけ。でもほんと……、ビルダーズはストーリーがマジでちゃんと作られててメインディッシュに相当するゲーム部分もマジでめっちゃいいし、良作シリーズだから是非やって……、お願い……。

 

以上です。