延長戦

昨日の記事の延長戦です。


Twitter見てたらこの展開でバチクソキレてる人いてやっぱり〜〜!!!!という顔をしました。だよねわかる、その気持ちも痛いほどよくわかる。というかまあ読んでればわかると思うんですけど私自身5に対しての思い入れがあまりないので、だからこそ許容できてるんだろうな〜と思った次第です。
フォロワーにリプしながら自分でもこの賛否の別れかたの感覚を整理したんですけど、ドラゴンクエストというゲームをプレイするという行為そのものに思い入れがある人と、ドラゴンクエスト5天空の花嫁という物語に対して思い入れがある人のどちらに当てはまるかで感想真逆になるのかなと思います。最初に言った通り、私は5にそこまで格別な思い入れがあるわけではなかったので、今回の映画は完全に前者の立場に立ってました。物語と作品そのものに思い入れがあるオタクとしての自分ではなく、ドラクエというゲームをすることが私にとって救いだったと言い出すほうのオタクとして見てた。
だから自分の物語というサブタイトル通りの展開にわりと軽率に感動してるのかなって。実際1から全てのタイトルを睡眠時間も削ってやり込んできたことを前置きして、この展開を褒めている方の感想も見かけました。褒めてる人は割とゲームをしてきた過去を懐かしむ、それこそ懐古厨おじさんみたいな、昔は良かったしてるみたいな捉え方をしてる人が多かったのかなという印象です。なんていうか、この映画をある種プレイ動画のような感覚で見ていたオタクは許容できたんじゃないかな。
一方後者の立場の人たちはそりゃあ自分の思い出を完全にぶっ壊すことをしやがったので怒るのも無理はないんですよね。私は5だから平気だっただけだし、どうせこういう一般受け狙った映画だしな……、の侮りが意外な高評価に繋がってるだけで。だけど酷評レビューを見て、ふと11で同じことをされたら絶対に評価しねえと言うであろう自分に気づいてしまって。いや、だって私イレブンの物語だとして作品を見せられていたのに、その背後に現実にいるプレイヤーの存在を何の脈略もなく匂わせられたらマジギレするよ。イレブン以外の存在がイレブンの背後にいて、仮想現実だよ残念でしたいい加減現実見ろよwwwってされたら秒でアシュヴァッターマンになる。6くんでもそうだよ、と言おうとしたんですけど、6くんが映画化されるとかもはや何かの間違いなので、その時は逆に無条件降伏してしまうと思います。悔しい……。
なんかこう、全然うまくいえないんですけどね、最初から誰かのプレイ動画であると思って見るのと、ドラクエという世界観を描いた作品であると思って見るのとで、感想本当にひっくり返っちゃうと思うんです。主観で見るのか、客観で見るのかの違いなのかなあ。誰かのゲームの様子を客観的に見て共感するのと、自分がプレイしてゲームを主観的に享受するのって絶対に違うじゃないですか。そこの違いかなって。

思い入れがあればあるほど主観で見るだろうし、私みたいに他タイトルには狂った思い入れがあるけど……な人や、作品というよりゲームそのものを楽しんできた層は客観的な見方をした。どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、その認識の違いがこの賛否両論なレビューを生んだのかなあと自分なりに分析?分析ってほどでもないけど考えてみた次第です。
っていうか、ぶっちゃけオタクはこういうさあ感動しろ!ここだぞ!みたいなわかりやすい演出大っ嫌いじゃないですか。私は最近オタク的感受性が衰えてきたので、意外とこういうのも受け入れられる瞬間が出てきたんですけど、10年前の私ならめちゃくちゃキレてた自信がある。キレてブログ書いて炎上してたと思う。強いて言うなら、そういうオタク的タブーを犯した点が、この映画の一番ダメなところだったんじゃないかなと思います。

 

最後に本音を言わせてもらえば、キャスティングやマーケティングの地点で作品ファンのオタクに向けて作ってないことはわかってたじゃないですか……。何をみんな期待してたんだよ……。我々のような物語そのものに格別な思い入れを抱いている人間は最初からターゲットにしてないよ、この映画。そういう前提で見ると、我々向けに作ってない割には設定ちゃんと忘れてないんだ、偉いじゃんってなるし、我々向けに作られていることを期待していると、取ってつけたように雑に設定を持ち出すくらいなら最初からやるな!になる。要はそこの認識の違いなんじゃないですかね。

以上です。