ドリルとデオキシリボ核酸と銀河系と私

完走しました。

グレンラガン完走しました。

泣きました。最後なんかもうよくわかんないくらい泣きました。面白かったです。

うまく言葉にできないので、思いついたことからつらつら書いていきたいと思います。読みにくいけど許してね。

 

 

 

シモンとカミナ

カミナの言葉に中身を与えたのがシモンで、シモンの行動を促したのがカミナの言葉で。彼らは表裏一体というか、どちらかが欠けていたらきっと地上に出ることができなかった関係なんですよね。だけど、カミナはシモンの行動を信じて無茶を押し通そうとするし、シモンはカミナの言葉頼みで精神的には脆い。互いに互いの足りない部分を補う関係は、互いに互いの足りない部分の成長を妨げる存在でもあった。

互いに互いを前に進ませる存在でありながら、同時に螺旋の力を無意識に抑え込ませる枷でもあったんですよね。この二人って。

だからシモンの成長はカミナの死をトリガーにして起こったし、そうしてシモンが成長した結果、アンチスパイラルとの戦いの運命が動き出してしまうんですよね。因果だなあ。

そんな因果を背負いながらも、シモンは最後までカミナからの「言葉」に支えられて「行動」を起こしてるんですよね。成長して脆さは克服しても、この二人の関係性はなんら変わりはしてないんですよ。あまりにも好き。こんなの好きに決まってる。

多元宇宙空間に囚われたシモンの背中を押し出したのもカミナの言葉だったのがもうほんとに最高でした。カミナ自身は死んでるから、行動は起こせない。シモンに託すしかない。でもそれは別に特別なことなんかじゃなくて、あの二人のそれまで通りの普通なんですよね。ずっとあの二人はそうなんだよ。

にしてもあそこのカミナほんとに安心感あったし、だからこそあの安心感を失った時の喪失感は凄まじいよなと……。

いやでもほんと、は〜〜〜〜〜〜〜〜好き、オタクそういうの好き。

 

 

ヴィラル

かわいいね、顔がかわいい、とにかくかわいい。私が好きなのは7年後の髪の毛が伸びたヴィラルです。ただでさえお顔が可愛いのに髪の毛が長くなって更にかわいいくなったのでムカつきました。髪の毛長くてボサボサでかわいいね。

刑務所入れられてシモンと仲良く喧嘩して懲罰房送りにされてるところもかわいい。囚人服がよく似合うね、かわいいよ。そのあと着替えたお洋服が捕まった時のきったねえ服のままなのもかわいい。ほかに服持ってないんか。誰か貸してあげてくれ。

あとヴィラルくんは有性生殖しないところもかわいい。ミカヅキモかよ。だって無性生殖って同じ個体がめっちゃ増えるってことじゃないですか。ヴィラルくんいっぱいだね、かわいいね。

あと多元宇宙空間で結婚して子供を持って幸せな家庭を築く夢見てたのあまりにもしんどくて困りました。有性生殖できないから自分の子供を持つことは絶対に叶わない彼が見た夢があの幸せな家族の光景だったのたまらなく切なくないですか。悪人ヅラが好きだったせいで私に解釈違い!!!!と叫ばれたあの穏やかな表情も、戦いのしがらみに巻き込まれ、戦いに身を投じなかったヴィラル本来の表情だったのかもなと思うと無理が列をなして大行進してくる。ほんとやだ。

そんなヴィラル、シモンとニアの結婚式でちゃんと正装してて可愛かった。かわいいね。

 

 

 

カミナとヴィラルとメイスとゲーラ

言いたいことわかると思うんですけど、カミナとヴィラルってそれぞれタレ目下まつ毛のCV小西とツリ目メカクレのCV檜山じゃないですか。

ね?

顔が好き好き言ってる二人が顔が好きな二人とイメージ丸かぶりなの業を感じる。

ついでに言うとヴィラルの髪の毛伸びたスタイルも、メカクレと髪の長さのコンボでメイスを彷彿とさせてくるのであっなるほどね〜〜?ってなります。いい加減にしてほしい。

そういえばゲーラちゃんは猿投山の要素も持ってますけど、相棒はどこぞの裸のヌーディスト要素皆無じゃないですか?まあ……、やむなしだよね……、わかるよ……。

 

 

あ、この辺から無限にプロメアの話が入ってきます。動機だから許してくれ。

 

 

 

7年という歳月

子供は大きくなり、大人たちは皆それぞれに幸せの形を見つけ、家庭を持って生きていくようになったあの歳月、絶妙すぎませんか。アンチスパイラルとの戦いが、あれだけ壮絶で重たいものになったのは、あの7年間があったからなんだよなあと思うんですよね。

それまでは自分の願いのためだけに走り回れたその脚に、家族や今の生活を背負う負荷がかかってるんですもん。みんな。シモンはニアという恋人を、ヨーコは子供たちという若い希望を、みんなが背負って戦うのだから、覚悟も違うし負荷も違う。あの最終決戦感はこの時間がなければ生まれなかったよなあと思うんですよね。そういう意味でも、この時間は絶妙だったよなあって思います。

 

 

 

ロシウという男

カミナシティという都市機構を作り上げ、その維持存続のための罪も罰も背負いこもうとするロシウ、めちゃくちゃよかったです。

人命を守るため、あらゆる策を講じ、あらゆる手段をとって、合理的にスムーズに、最大公約数が満足する方法を探す彼の行動。本人は悔やんでましたけど、何一つ間違ってなんかいないんです。というか、正しい・正しくないで言えば彼の行動がきっと一番正しい。人民を統治する人間が最も選んではいけないのが、ハイリスクハイリターンな選択肢であり、政治も行政も、ローリスクローリターンを積み重ねて安定的な地盤を作り上げなければならないので。

だけどそれは結果的に人命の取捨選択、つまり自分が反発した枠組みと、規模は違えど全く同じものだったんですよね。なんたる皮肉。

さらに悪いことに、ロシウは非情になりきれなかったんですよね。彼は優しい人間だった。賢い彼は統治者が非情であるべきことの重要性を知っていて、自らもその道を選び進もうとした。だけど心はその選択については来られなかったんですよね。そんな彼のあの街での行動言動態度、あまりにも好きでした。

と、ここまで書いてきて薄々何か察してしまった方もいるやもしれませんが、何食わぬ顔で語りたいと思います。はい。みなさんもご存知だとは思うのですが、私はプロメポリスという都市を背負い人類存続のために犠牲を払うことを厭わなかったクレイ・フォーサイトとかいう男で情緒がめちゃくちゃになっておりまして。まあ……、ロシウに関して思うところは……、あったよね……。山ほど……。

ここからが私の妄言の本題なんですけど、クレイはロシウのアンチテーゼだったのかなって思うんですよね。クレイももしかすると人々を見捨てることで心を痛めたかもしれないけれど、作中にそんな描写はない。ロシウもクレイも宇宙船の出発を予定より早めてますけど、ロシウは苦悩しながらその決断を下した一方、クレイはあっさりさっくり決めている。ロシウにできなかったことをやってるんですよね。

というわけで、この後さらにこういう感じの話をします。

 

 

ヒロインの運命

グレンラガンのヒロインであるニアとヨーコ、それぞれ二人ともかなり悲しい運命に飲み込まれているんですよね。

ニアはアンチスパイラルのメッセンジャーとして生まれたために、最後には体を保てず消えてしまう。ヨーコは、彼女に思いを告げた男たちが二人とも散っていってしまう。グレンラガンってこう、王道熱血物語!のような枠組みでありながらも、失うこともきちんと描写してるよなあと思うんです。人生に別離はつきものなので、たしかに喪失を無視して描くことはできないし、これはこれで物凄く深みが出るのでいいと思うんです。思うんですけどね、こういうの好きなんですけどやっぱ幸せになってくれ〜〜!って思うのも人間なんですよ。

しかも自身の体ごと世界から消え去るヒロインと、大切なものが指の隙間からこぼれ落ちるヒロインですよ?ヒロインたちが揃いも揃って掴みかけた幸福を手放さざるを得なくなってるの悲しすぎるんですよ。

で、ここでいきなりリオくんの話をするんですけど、リオくんって彼女たちが得られなかった未来を得ている存在だよなあって思ったんですよね。作品を超えたヒロイン二人の救済がリオくんという存在の果たした役割だったんじゃないかなって。

リオくん、脚本の中島かずき氏が消えないニアと表現してる通り、ほんとに消えないんですよ。プロメテックエンジンのコアとしてポッドに押し込められて体が崩壊したリオくん、ちやゃんと生きてるんです。ニアと同じように体が崩壊しかかっていたリオくんが、ニアとは違う結末を辿ってるんですよ。

リオくん、見た目の雰囲気的にも果たした役割としてもニアの枠組みの中にいるんですけど、彼のすごいところはヨーコの役割も被ってるところなんですよね。それがキスシーンなんです。

先述の通り、ヨーコは二度、思いを告げられキスをされるシーンがあります。そして二度ともその直後に思いを告げた相手が死んでいる。一方リオくんも同じように二度キスシーンがあります。キスシーンじゃないけど、あれどっちも人命救助だけど。めんどくさいのでキスシーンと呼びます。そのね、リオくんのキスシーン。1回目、シーマを救おうとした時はご存知の通り、彼女を救うことができずに死別という結末を迎えます。ところが、2回目のガロとのキスシーン、ここでリオくんは目を覚まし息を吹き返すんですよ。ここで2回のキスはどちらも別れというジンクスを見事にうち破ってるんです。しかもここ、同時にリオくんの体の崩壊が止まる場面でもあるんですよね。奇しくもシモンとニアも、口づけを最後に別れていることを考えると……。

そういえば、ヨーコはプロメアの登場人物でいうとアイナとイメージが重なるんですよね。あとカミナとガロも大変に似ている。そんなアイナとガロが氷の湖でキスしなかったの、あれってある意味死亡フラグ回避だったのかもしれませんね。あそこでキスをしなかったことで、アイナにヒロインを背負わせなかったことで、アイナはグレンラガンのヒロインたちが背負ってきたものから逃れられたのかなあと。

などと考えたせいで、あの時ガロとリオが果たした役割がはちゃめちゃに重たくそして尊く見えるようになりました。プロメアが見たい……、ちくしょうなぜ上映が終わった……。

 

 

シモンとニア

グレンラガンって要するに二人のボーイミーツガールの物語だったところ、ありません?

特にカミナの死後からテッペリン攻略までのあの時期。あそこ疑いようもなくボーイミーツガールの文脈だった。

いやだってニアちゃんマジで可愛いしヒロインじゃないですか。ヒロイン。立ち直れなくなっていたシモンに前を向かせ、囚われのお姫様の役目を背負うことで物語を進ませる、熱くて泥臭い熱血ロボットアニメをボーイミーツガールの文脈に変えたヒロインがニアだったわけで。シモンとニアの関係、ほんとに王道でそれがすごく素敵なんですよね。

幸せになって欲しかったと思う気持ちはあるんですけど、でも最後の最後にドレス姿で笑っていたので、彼女はきっと幸せだったんでしょうね。あああああニア……、ニア…………。

 

 

 

 

 

 

言いたいことがわけわからなくなってきたのでそろそろやめます。

本作は4部構成になってますけど、最初はガンメンで殴り合いをしていたのが最後には人型のロボット各種で兵器をぶっ放す展開になってて如実に進化してってるところとか凄く良くて。それまではマジンガーZとかファーストガンダムのようないわゆる昭和アニメの戦い方をしていたところ、7年経過後には平成のそれも00年代のアニメに化けていて。そういうところもつらつらと書きたかったんですけど、何せあまりロボットアニメに造詣が深くはない門外漢なので黙りました。詳しくないので適当なイメージで喋ってます。これはオマージュだ!と気づく目がない。気づけたのはグレンラガンデウス・エックス・マキナがどちらも二人乗りなところとか、あと痩せ我慢作戦してたところとかですね。プロメアから出られねえ。

と、まあプロメアが好きすぎて、キルラキルグレンラガンと立て続けに履修をしたわけですが、グレンラガンのほうがよりプロメアと同じ文脈だなあと思いました。

例えばそれはラスボスの扱いに現れているような気もします。生命繊維が宇宙全体を覆い飲み込むことを是とした鬼龍院羅暁と、やがて宇宙を滅ぼす螺旋の力を否定したアンチスパイラル。プロメアの力を否定したクレイがどっちに近いかと言われたら、まあ後者ですよねーっていう。ほら、アンチスパイラルは螺旋の力を否定し、螺旋の力を持つものを滅ぼすことで宇宙を存続させたかったみたいですし、やり方の是非はともかく向こうにも向こうなりの正義があって、それが一概に間違ってるとも言いにくい辺りは近いのかなと。クレイ・フォーサイトのほうが、目的意識がよりわかりやすく、行動原理がより明確になるよう、遠大な理念を削ぎ落とし理解しやすいテーマに落とし込まれてますけど。

その辺はアンチスパイラルとも羅暁とも違ってわかりやすいですよね。 羅暁も大概でしたけど、アンチスパイラルさんマジで何言ってんだお前って感じだったんで。人知を超越しすぎていて全然わかんなかった。声が上川隆也ってことしかわからなかった。なんで私の好きな俳優が今石中島作品に出るとラスボスになるんですかね。不思議ですね。

 

と、再三書いてきたように似ている要素、同じモチーフが度々見受けられるのと、あとは単純に話のノリが近いので、グレンラガンキルラキルのガワを被せ、グレンラガンとは別の可能性を選んだのがプロメアかなあという印象です。

 

なんかわけわかんないこといっぱい書いてきましたけど、グレンラガンめちゃくちゃ面白かったです。どうしてもプロメア意識して見てしまったところがあるので、次はこの作品を真っ向から見据えてみたいなあと思います。とりあえず私は人があんまり死なないという劇場版を見たいなと思いました。

あと、次は髑髏城の七人にもチャレンジしていきたい所存です。

 

 

以上です。