滅殺開墾ビーム

あなたの堺雅人はどこから!?!!?!?

リーガル・ハイ』!?!!?!?『半沢直樹』!?!!?!?!?!!?!?

私は『新選組!』!!!!!!!!!!!

映画『プロメア』を観てきました。オタクとして大声で言いにくいのですが、TRIGGER作品を全く知らない中の人目当ての女が観に行きました。堺雅人の出演作では劇団☆新感線の『蛮幽鬼』が一番好きと言っても差し支えがないタイプのオタクが事前知識ゼロで劇場に足を運んできました。

今日はその感想です。

 

 

 

 

 

 

 

そう、そうなの!!!!!!!!堺雅人にはこの演技ができるポテンシャルが!!!!!!!!あるの!!!!!!!!

煽りスキルの高いあの弁護士ではない。あの有名すぎる銀行員ではない。私の信奉する堺雅人は善悪の次元が我々と違う、人殺しに躊躇いのない男なのだ。あの表現、あの滲み出るような常人とは違う価値観。あの静かに焼き尽くされるようなズレ、底なしの闇、あれこそが堺雅人の演技の根にあるものなのだ。

 

ごめんねいきなりなんだこいつウザっみたいなテンションになりました。だって堺雅人の、あの『蛮幽鬼』での演技を知っていたからこそ、クレイの演技で時代が堺雅人に追いついたと壁を背に立つアイドルの彼氏ヅラおじさんみたいなポージングでクレジット眺めてたわけだからね。Superflyに愛をこめて花束で殴られろ。

こういう面倒くさい俳優ファンとしての自分を飼っているので、Twitter堺雅人の演技がもうほんとに大絶賛されていたのを見たら我慢できなくて。一ファンとして、彼を追いかけていた時代があるオタクとして観に行きたいなあと思ったので映画の日だし行ってきたわけです。いやほんとにね、クレイの演技すごかった。

時代が堺雅人に追いついた。

大事なことだから……。

ちなみに、私が一番好きだったのは名前ど忘れしたあの……、CV小清水亜美の……、彼女がクレイに噛み付いたシーンの最後に放ったあまりにも冷たい声なんですよね。それこそ氷のような声。凍結してしまう。叫んでいる演技でもない、狂気を感じるそれでもない、無感情に放り出された一言があまりにもクレイという人物を表現するには完璧で。聞いた瞬間ほんとうにゾッとしました。最高です。

 

堺雅人の話はこれくらいにして、映画の話をしていきたいと思います。

頭の中バッチバチに痺れる映画

でした。燃えた。なんか発汗作用がすごくて、始まる前映画館寒いなお腹壊したらどうしよって思ってたのに観終わったら汗でべったべたになってた。この映画岩盤浴なのかもしれない。美肌効果とかダイエット効果あるかな。ありそう。

ダサいとカッコイイの境界線を切り裂くみたいな名前カットイン。最高じゃないですか?あの演出嫌いなオタクいる?脳汁がもうドッバドパ出てくる。快楽物質の間欠泉。特に好きなのがマッドバーニッシュのあの黒くてスタイリッシュなわかりやすくカッコイイ絵面です。頭の奥がビリビリして痺れました。

画面の力はそれこそ冒頭の消火シーンから感じていて。眩しいほどカラフルな世界に、ドギツイのに優しい色の炎が燃えている。黒い煙が立ち込める中を、派手な色のロボットが暴れまくる。目まぐるしく変わる動き、チカチカするような派手な画面、最初からボルテージマックスの登場人物たち。そしてやたらめったらカッコイイ音楽。視覚聴覚全部をフルに稼働させられて、全部で殴られてる感じ。もうたまらないんですよ。最高に気持ちいい。全体的に気持ちよくなるように計算され尽くしてるんです。

そんないきなりクライマックスみたいなシーンが終わり、ゆっくりとした流れでシナリオが進み始めるわけなんですけど、ここも全然落ち着かせてくれなくて、情報たっぷりに突き進んでくんですよね。てかゆっくりとか書いたけど多分全然ゆっくりじゃないと思う。でもあの狂ったようなスピードと勢いに比べたら普通にゆっくりだった。

クレイの思惑が明らかになり、リオを始めとするバーニッシュたちにの”生”に触れたガロ。普通ちょっと重たくてじっとりしたシーンを経ると、このタイプの主人公って重力を持つようになるじゃないですか。責任という重みを背負って、地に足が着く。なのにこの男、ずっと燃えたまま、重みが増すどころか余計な重しを振り払ってさらに轟々と燃えるんですよ。元々の凄まじい熱量を、さらに熱くしていくんですよ。まあ、一方のリオくんは物理的に燃えてますけどね。これは小粋なジョークです。

他方、リオくんはといえば、物理的には轟々と燃えているのにどこか氷のように冷めた部分があったんですよね。それは多分ボスとしての責任とか、皆を守らなければという使命感からくるもので。誰よりクールでいなければならないという自分に嵌めた枷があるんですよ。だけど、クレイにバーニッシュの仲間たちを、守るべき存在を根こそぎ奪われて、その怒りと悲しみと苦しみで暴れ回るじゃないですか。泣きながら街を焼き尽くそうとしているあの瞬間に、リオくんを縛る氷の枷が外れて、そこでようやくガロと同じ高度まで浮上して目線を合わせることができてるんですよね。

こういう構造、オタクは大好き!

大好き!めっちゃ好き!

そういえばリオくん、中性的よりも美少女に近いビジュアルをしていますけど、声がゴリゴリに男じゃないですか。ただ中の人が女形がめちゃくちゃ妖艶な早乙女太一なのがあーなるほどね?ってなります。なるほど早乙女太一ね、オッケー。わかるわかる。みたいになりません?ならない?わたしだけ?ちなみに早乙女太一もさっきから何回か名前を出してる『蛮幽鬼』の出演者です。円盤も出てるよ、観てね!

 

そんなリオを体をはって止めたガロと、ガロの言葉を受けとめたリオ。二人がバーニッシュの操る炎、プロメアの真実を知り、クレイのところにカチコミに行く。普通に当然の流れなんですけどめちゃくちゃアガるんですよね。お約束の予定調和が気持ちいい。テンプレがカッチリハマって気持ちいい。この映画、全体的に気持ちよくなる作り。

で!で!!クレイとの一騎打ちが始まるんですけど!始まるんですけど!!!!

 

クレイの技すっげ〜〜〜〜〜〜ダサい!!!!

大好き!!

だって滅殺開墾ビームですよ??滅殺開墾ビームですよ????????移住先の星で開墾のため土を生むビームですよ????????あんな残忍性の塊みたいな行動しておきながら、狂気の暴走みたいなことしておきながらちゃんと住民は地下に避難させてるのなんなのかな!!!!????

この単語、Twitterで見かけた時にあまりによすぎる語感に大変引っかかったんですけど、どうせ内閣総辞職ビームの系譜だと思ってたんですよ。まさか本当に滅殺開墾ビームだとは思わなかった。読んで字の通り滅殺開墾ビームだった。背景に残るし。残留するし。なんでだよそこは一緒に滅殺しとけよ。

さらにたちが悪いことにこの後も続々と放たれる技が全部実用的なのでむりでした。すげえ!実用的だね!しかもなんかそれまではカッコイイとダサいの境界を切り裂いて脳を痺れさせてきてたのに、この時だけは完全にダサいに振り切れてて逆にカッコイイ気がしてくるから頭フラフラ。最高でした。お前なんなの?めっちゃかっこよく、それこそ堺雅人のボルテージ爆発させながら叫ぶ技名がびっくりするほどすげー実用的。ネーミングセンスが最高。むり推せる。滅殺開墾ビームだけでこの男を許せる私がいる。マジでむり。そういう自分が解釈違い。悔しい。

マジで一ミリも関係ありませんが、わたしは機動戦士ガンダムSEEDで「滅殺!」などと叫んでいる彼と二人の仲間(仲間?)が大好きです。オルガが純烈になっててびっくりしました。

 

それにしても流石に後半は駆け足かなと思ったんですが、いろんな事情で2時間の映画にしたんだろうなあという感情は正直こう、ありますよね。オタク的には2クールくらいのアニメにしてもっともっと暴れてくれと思うんですけど、キャスティングから見てもある程度大衆ウケしてもらうことを狙って作っているとは思うので、そうなると劇場版の2時間が限界だと思うんですよ。でも2クールくらいのアニメで暴れてほしいなあ……。そして私は毎週滅殺開墾ビームを浴びるんだ。浴びるなそんなもん。

上演時間の話から始めましたけど、松山ケンイチ早乙女太一堺雅人をメインキャストに据えている地点で大人の事情は普通にゴリゴリに滲み出てますよね。ほら、『君の名は』が売れてからというもの、大衆ウケの良さそうな綺麗な絵柄と恋愛シナリオ、ないし幻想的なストーリーに芸能人声優を起用する手法が流行中じゃないですか。今日の予告でもそういう作品を死ぬほど見せられましたし。なんかもうどれもこれも同じようなテイストで、ただひたすら米津玄師の歌のドラマチックさだけが記憶に残ってるんですけど。

だから妙にスタイリッシュでちょっと普通のアニメと毛色が違って見える本作も、一般人の目を絵柄で誤魔化してそういう流れに乗せようとしているのかなって。そう見えていい気持ちはしなかったんですよね。でも、巷で言われているように、特にクレイが顕著なんですけど、このキャラクターにはこの声しかないというハマりっぷりなので全然いやらしくないんですよ。それどころか、本職の声優と並んでも馴染めるくらいの演技力でぶん殴ってくるので、確かにそこにあったのであろう大人の事情のいやらしいものとか全然見えなくなるし、例えあったとしてこれだけいい体験をさせてくれたのなら全然オッケーって我々に許容させるだけのパワーがあって。

この作品を書いた中島かずき、ほんっとに役者の魅力を引き出せる役を描く人だなと感心しました。『蛮幽鬼』でも衝撃だったんですけど、やっぱり撃たれました。さっきから書いてて思ったんですけど、『グレンラガン』も『キルラキル』も知らない私でも『蛮幽鬼』だけは知っていたので、そっち方面からこの作品にアプローチできてしまってるんですよね。そこから入ったからこそ見えたものがあったのかもしれないので良かったと思います。あと普通にオタクなのでいいアニメを観ると高ぶります。

調べてて知ったんですけど、『グレンラガン』に上川隆也出てたんですね。見ようかな……、えっ見ようかな……。

ちなみになんですけど、堺雅人はここまで俳優として世に出る前からぼちぼち声優方面のお仕事もしていた人なので、やっぱこのキャスティングでも2クールアニメ作れるんじゃない?という気持ちでいっぱいです。作ってくれ、そして毎週私にバチバチ痺れる快感をくれ。あと滅殺開墾ビームもくれ。

 

 

長々と真面目な話をしましたが、私の地味なお気に入りキャラはリオくんの側近やってたCV小西克幸、CV檜山修之の二人なのでよろしくお願いします。彼らの名前なんていうんですか。結局わからないまま終わった。パンフ買えばよかったかな。でもあいつらあまりにも可愛いでしょ、なんだあの三白眼。可愛い。可愛いしボスのこと庇って逃して自分たちは捕まるのあまりにも好きでした。二人セットな感じも可愛い。好きだったので捕まってぐるぐる回されてたのが大変悲しかったです。でも回されてたけど割と元気そうだったので安心しました。あとCV吉野裕行のメガネも可愛くて好きです。顔がいい。

でもやっぱりオタクはリオくん好きでしょ?あれが嫌いなオタクはいねえよって気持ちでした。あんな宝石の国にいそうなビジュアルしてんのに中身は熱いし声は男だし。そういえば、ガロがリオを蘇生するため炎を口に含んで人工呼吸するシーンで一ミリも変な気を起こさなかったし、思い返しても変な気を起こさなかったのでやっぱり私はあのシーンを神聖な表現と捉えてたんだなと思いました。っていうかキスシーンの後に初めての相手が男だなんて!みたいなこと言わなかったあたりがすごくガロという人間を表現していて個人的に好きなポイントです。キスという行為にじゃなくて、火をつけられたことに対して騒ぐの、すごく無垢で純粋で他意がなくフラットなのでガロじゃないですか?ですよね?

ところで何気に検索してたら主題歌はガロとリオの叶わぬ恋を表現してたらしいんですけどちょっとまってどういうことですか、えっ、何どうした、SuperflyはリオくんのことCV早乙女太一の美少女だと思ってる感じ?なに?

いやリオくんは可愛いけど、リオくん可愛いけどさあ!!!!????公式????????公式で????????しかもSuperflyを起用して????????????ァ!?!?!?!?!!?!?

 

脳がバグってきたのでそろそろ感想を締めたいと思います。

なんていうか、私が中学の頃に衝撃を受けて信仰してきたものを別のアプローチ、別の表現方法でもう一回口から詰め込まれた充足感がまずあって。これが途中語ったキャスティングとキャラクター設定の合致の上手さにあたる部分です。この人のこういうところが見たかった!を提示してくれるので、痒いところに手が届いてとっても満足できるんですよね。

だから好きに決まってるんですよ。この満足感を手放せる人間はいないよ、好きを好きな形で提示されて喜ばない人間はいない。

で、華やかでバッチバチにカッコイイ表現に頭の奥をガンガン痺れさせられた気持ち良さもあるんですよね。アニメ作品としての快感というか、この派手で気持ちのいいスピード感、しっかりハマる王道なシナリオの安定感、カッコイイを詰めた画面構成、そのほかいろんなものをギッチギチに詰め込まれて最高な感情になるのがイイんですよ。なんていうか、わかりやすさに抱く気持ち良さっていうか。

私が大学時代に愛飲していた、フラペチーノのような甘いスムージーに砕いたオレオとタピオカをぶち込み、上にたっぷり生クリームを乗せたものに更にビタークッキーを振りかけた飲み物みたいな趣があります。カロリーってなんだっけ。私の中でタピオカといえばこのスタイルだったので、タピオカミルクティーとかただの水では?という気持ちがあります。話が逸れた。

 

とりあえず私はauマンデーを利用して月曜日また観に行ってもいいなと思う程度にはいい刺激を受けたと思います。ホント、いい刺激でした。そういえば、入場者特典のカードがクレイだったのでやっぱり私は滅殺開墾ビームされるしかないなと思いました。次は土になってお会いしましょう。

以上です。